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コラム

2011/02/04  鈴木 正(スポーツニッポン)「No.1の言葉」

トウショウゲームが夢の続きを見させてくれる!

在りし日のトウショウギア(2008年、根岸Sでの返し馬)

 先週、東京競馬場で行われた根岸S。私は、その直後に行われた12R、1000万下にも重賞に負けないくらい注目していました。心の中で声援を送っていたのはトウショウゲーム。長期休養明けを叩いて2番人気の支持を受けていました。
 トウショウゲームの半兄にトウショウギアという馬がいました。オープン5勝と活躍し、厩舎サイドは重賞制覇(厩舎自身のJRA初重賞でもある)を目指しましたが、ついに届きませんでした。そればかりか、絶好調で臨み、今回こそ夢がかなうかと期待して送り出した08年根岸Sの4コーナー手前で故障を発症、天に召されました。

 ちょっとオーバーに言えば、トウショウゲームの今回のレースは、兄トウショウギアが志半ばで倒れた無念を振り払う一戦でもありました。トウショウゲームは速いスタートから逃げを打ち、直線でも外から脚を伸ばすカシマストロングを抑え切り、兄の命日に白星を捧げました。ゴール前のひと伸びは、トウショウギアが背中を押しているのでは、と思わせました。

 一昨年10月以来の勝利を見届けた池上昌和調教助手は「根岸Sの日だということは、やはり気になっていました。勝てて良かった。トウショウギアの続きをトウショウゲームが走ってくれたら…」と話していました。悲劇の日から3年、道は再びつながりました。兄の分まで走り、できれば兄が手に出来なかった重賞(根岸Sなら泣ける)を勝ってほしいと心から願っています。


※関連リンク
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