2010/08/05 片山 真(日刊ゲンダイ)「No.1の言葉」
2歳戦を勝ち抜くこんなポイント
GIII函館2歳Sと新潟のダリア賞。今週は2つの2歳オープン戦が組まれています。データが少ない2歳戦で、皆さんはどんな点を重視していますか? もちろん、これがすべてではないけれど、ボクは馬の誕生日と、勝ち上がった時のレースラップを必ずチェックしています。
馬の年齢をヒトに換算するには、「4」を掛ければいいって言いますよね。単純に考えれば、馬の世界では3カ月の差がヒトの1年に当たるわけです。2月生まれと5月生まれが同じレースを使えば、約1歳分の差が生じる。よく「2歳のレースは幼稚園の運動会だ」なんて言う人もいますけど、もうそうだったらなおさら。4月生まれの幼稚園児と翌年3月生まれの子が同じクラスにいれば、体格も運動能力も間違いなく違います。
このアドバンテージで函館2歳Sの中心になっているのが、2月14日生まれのマイネショコラーデ。勝ちタイムは遅いけど、これより早い2月1日生まれのドリームバロンは気になる存在です。ダリア賞の一番の早生まれは2月16日のサイレントソニック。期待のディープ産駒が仕上がりも早かったのですから、デビュー勝ちは当然でした。
もう一つ、新馬勝ち時のラップ比較は、思わぬ穴馬探しにもつながります。若駒の初戦といえば、スピード任せの前傾ラップが普通でしょう。それでもよくよく調べると、古馬のような味のあるレースで勝ち上がった馬もいる。脚をためて行けるタイプは、ゴール前の混戦になればなるだけ、グイッと抜け出す可能性が高まります。
函館2歳Sではトラストワン。レースのG前1Fは11秒6で、トラスト自身は推定11秒4の切れを見せました。評判馬マギストラに競り勝った勝負強さは本物でしょう。ダリア賞ではマルタカシクレノンの逃げ切り内容がいい。ラスト2Fの11秒4-11秒5は、余力を残したVだったことを示しています。
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