2011/04/19 高井 大輔「世界の競馬はでっかいぞ!」
【世界の競馬】え!? 未勝利馬がGI制覇? 豪のシンデレラストーリー
日本では、いよいよ先々週の桜花賞からクラシックシーズンがスタートしたけど、海外でも続々クラシックシーズンがスタートしている。そんな中で、今日は「オーストラリアの競馬からひとつのシンデレラストーリーが生まれた」という話をしたい。
オーストラリアは南半球ということで、すでにクラシックシーズンは終盤に来ているのだが、そんな中で先週末、オーストラリアのロイヤルランドウィック競馬場で、AJCオークスというGIレースが行なわれた。
AJCオークスは、シドニーを拠点とする牝馬が最大目標とするレースで、今年は、牝馬ながら牡馬相手にAJCダービーを制したShamrocker(シャムロッカー)という馬が出走するということで、注目を集めていた。
そんなAJCオークスを制したのが、Absolutely(アブソルートリー)という馬。何が凄いかって、シュウェップスオークスという地元のGIで2着してはいたものの、実はこの馬、レースで勝ったことがない未勝利馬だったのだ。
しかも、そんなAbsolutely。展開に恵まれたとか、他馬が不利を受けて力を出し切れなかったとかではなく、2着に来た1番人気のShamrockerを3馬身半も千切って圧勝したのだ。ほとんどの有力牝馬が目標にするレースというだけあって、他にもGIホースが出走していたし、重賞勝ち馬もいた中で2400mのGIを圧勝。マグレでできるものではない。
母父のキャットレイル(Catrail)は多くの重賞ウィナーを輩出しているし、父はオーストラリアでは主力となっているデインヒル系の中でも最高傑作との呼び声が高いリダウスチョイス(Redoute’s Choise)ということで、血統的には文句のない馬だったのは確か。
それでも、レースで一度も勝ったことがない馬だったというのは紛れもない事実で、来る者拒まず、挑戦したい者には門戸を開けるというオーストラリアならではのシンデレラストーリー誕生となった。
そして今後は、だたの1勝馬ではなく、GIウィナーとして他馬の挑戦を受ける立場になる。「終わってみたら、あの1勝が唯一の勝利だったね」という昔の思い出話にならないように頑張ってもらいたいし、彼女の動向に注目していきたいところだね。
最後に余談になるけど、実は、AJCオークスが行なわれたロイヤルランドウィック競馬場は、3コーナーに坂があって、京都競馬場とかなり作りが似ている。だから、という訳ではないんだけど、今年の秋にエリザベス女王杯にでも来てくれたら盛り上がるなんて考えてる。どうかなあ。
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