2011/04/22 井上 達也(デイリー)「トレジャーハンター」
角居師から教えられた諦めない心!
“興奮冷めやらぬ"とはこのことだろう。日本に元気と希望を与えた歴史的快挙から1カ月?。現地で取材したドバイワールドカップのVは昨日のことのように思い出される。
先日、現地ドバイで歓喜をともにしたマスコミ関係者10人ほどで角居師を招きドバイワールドカップの祝勝会を行った。壁に貼った各スポーツ紙の1面を酒の肴にして盛り上がった。
日本馬がドバイに遠征したあとに大震災が起こった。「現地で調整するスタッフから毎日電話があってね。“日本は大丈夫ですか?"って。私は“こんなときだからこそ結果を出そう。そのためにがんばってくれ"と伝えました」。角居師が現地に到着したのはレースの5日前。馬やスタッフと再会するまで、そんなやりとりで結束を高めていたという。
「日本がこういう状況なので“チームJAPAN"の気持ちがいつも以上に強い」。追い切りを見届けたあと、角居師はそう言って力を込めた。「今回の遠征は今まで以上に勝たなきゃって思った。そして、勝つんじゃないかとも思った。でもね、実はルーラーシップの方が自信があったんですよ。そういえば、メルボルンCのときもデルタブルースよりもポップロックの方が自信があったなぁ(笑)」。今だからこそ笑える裏話かもしれない。
UAEダービーは06年フラムドパシオン(3着)、シーマーククラシックは07年ポップロック、(6着)11年ルーラーシップ、デューティフリーは06年ハットトリック(12着)、08年ウオッカ(4着)、09年ウオッカ(7着)、ワールドカップは06年カネヒキリ、11年ヴィクトワールピサと角居厩舎は積極的にドバイに挑戦してきた。レース後の会見で、海外メディアから「なぜ勝てたと思う?」と問われたトレーナーが「諦めなかったからです。被災した人たちも諦めないでほしい」と話したのが印象的だ。なぜ、それほどまでにポジティブでいられるのだろうか?「後ろを振り返っても仕方がない。明日が今よりもちょっと良くなるように、といつも思っている。それを積み重ねてきただけ」とサラリと言ってのける。いい上司がいるから、いい社員が育ち、いい組織ができる。国を始めとするリーダー像のあり方が問われるなか、指揮官の言葉には愛情や重みを感じる。
21日、ヴィクトワールピサのクイーンエリザベス?世Cの回避が伝えられた。ただ、原因がハ行ということでひと安心。このあとに予定しているインターナショナルS(8月17日・英国ヨーク)、凱旋門賞(10月2日・仏国ロンシャン)、JC(11月27日・東京)のプランに影響はなさそうだ。回避は残念だが、前向きなトレーナーのこと、きっと次の遠征に向けて気持ちを切りかえていることだろう。世界最強馬のワールドツアー再開を心待ちにしたい。
※関連リンク
★がんばろう日本! ?応援メッセージ募金?にご協力お願いします
★【ドバイWCデー】日本馬初の快挙!ドバイWCでヴィクトワールピサが優勝
★【ドバイWCデー】「明るいニュースを届けたいという想いで」?ヴィクトワール陣営 喜びの声
★馬三郎・弥永TMや平松さとしなど【UMAJIN.netコラム】一覧はコチラ!
★デイリースポーツオンラインはコチラから