2011/12/02 渡辺 壮「砂に埋もれた金脈を掴み取れ!」
【ジャパンCダート】推理?渡辺壮が展開を読む!
☆今後の更新スケジュール
(更新済:序章?渡辺壮がJCダートの前哨戦を徹底回顧!
更新済:独断?渡辺壮の「俺ならこう乗る」前編 エスポワールシチーなど
更新済:独断?渡辺壮の「俺ならこう乗る」後編 トランセンドなど)
今回:推理?渡辺壮が展開を読む!
12月3日18時ごろ:決断?渡辺壮・JCダートの最終結論
12月4日17時ごろ:完結?渡辺壮のJCダート徹底回顧
水曜と木曜で「俺ならこう乗る!」と題して、出走各馬を解説してきたが、触れていなかったバーディバーディとマカニビスティーが出走してきたので、補足としてまずはこの2頭について触れておきたい。
バーディバーディは去年の4着馬。このメンバーに入っても能力的にはヒケを取らないはずだが、近走は案外の内容の競馬が続いている。去年に比べて勢いという点でもひと息だし、状態面も今ひとつ。あまり強気にはなれないが、自分が乗るのであれば少しでも前に付けて、道中はジッと我慢して脚を溜めたいところ。ただ、ここでひとつネックなのは、最近のゲートの悪さ。少しでも出遅れたなら後ろでジックリ構える乗り方に自分ならシフトする。とにかくゲートを出るか出ないかでレース運びも変わってくるだろう。真ん中の枠順を引いたのでどんなレースでもできそうだし、後入れの偶数枠なのもプラスではあるが、最近は終いの粘りを欠き、スランプ状態に陥っている感じ。ここらできっかけを掴んで欲しいというのが正直なところで、テン乗りのプレブル騎手の手綱捌きに期待したい。
マカニビスティーは大井所属時の東京ダービーの走りが非常に印象深いが、その後、中央に再転入。天皇賞4着など、最近は芝を中心に使われているが、ここで再びダートに戻ってどうかという気もする。東京ダービーの走りができればこのメンバーでもそうヒケは取らないと個人的には思っているが、いかんせん展開に左右される馬。下手に自分からは動いて行くよりも、後方でジッと我慢して脚を溜めるだけ溜めて乗る。1番枠を引いてロスなく乗れそうだし、あとは流れが向くのを待つだけといった感じ。自分が乗るならそういった一か八かの乗り方になるだろう。
さて、木曜日に決まった枠順についても触れてみたい。注目のエスポワールシチーは3枠6番、トランセンドは大外8枠16番、そして展開の鍵を握るトウショウフリークは8枠15番に入った。まずはこの3頭について。
トウショウフリークとトランセンドから外から切れ込んでくると思うので、エスポワールシチーとしては2?3番手に控えて砂を被るよりも、内めの枠を利してハナに行った方が得策のように思える。中途半端に下げて外に出すとなると、トランセンドの藤田ジョッキーも「敵はエスポワール」と思って乗るはずなので、なかなか出してはくれないはず。そうなれば、「中途半端な競馬をするよりも、行った方がいい」という気になるだろう。エスポワールが“ハナに行く”というアクションを見せるとトランセンドもトウショウフリークも諦めて控えるだろうし、ここ2走でトランセンドは番手に控える競馬をやってきた。
という訳で、今回はエスポワールシチーがハナを切りそうな気がする。
みやこSを見ていると、テンから追って出して行ったトウショウフリークに対し、エスポワールシチーは馬なり。こうなるとトウショウフリークはハナを切るのもおぼつかないと思うし、池添ジョッキーもこの枠(8枠15番)を見た時点で番手の競馬になることも覚悟しているはず。ただ、最近はハナを切る競馬しかしていないトウショウにとっては、いずれにしても苦しい競馬になるだろう。できればもう少し内の枠を引きたかったというのが本音ではないだろうか。
枠順の並びだけで言えばトランセンドが有利のように思う。トウショウフリークが多少無理してでも行けばエスポワールを苦しめてくれるので、番手に控えて息を入れられるし、あとは前を交わすだけという競馬ができる。前走のJBCクラシックでは「スマートファルコンは強い」と思ってあまり追い掛けなかったが、エスポワールシチーの場合は「勝てない相手ではない」という意識があるはずなので、勝負所から早めに追い掛けて行くはず。そういう展開になればトランセンドが勝つ確率が高まるように思う。
ミラクルレジェンド(6枠11番)はいい枠を引いた。前半は中団でジッと我慢して、勝負所で早めに動くダノンカモンあたりを目標に上がって行けば、展開面でも有利に働くはず。レースをしやすい枠順だし、力は出し切れるはず。
ヤマニンキングリー(7枠14番)は中団あたりで流れに乗って行けると思う。スタートしてからの1?2コーナーであまり外を回りたくないので、常識的には早めに下げてロスのないインコースに進路を取りたいところだが、まだ砂を被った事がないのでなかなかインコースにも入れにくい。そのまま外を通ればスムーズな競馬ができる反面、外々を回る羽目になる。いかんせんこの辺は未知数なだけに、デムーロジョッキーも頭を悩ませているのではないだろうか。いずれにしても、この馬にとってはここが試金石になる。
テスタマッタ(3枠5番)は、折り合い面を考えると、スタートをゆっくり出て後方のインコースでジッと我慢させるという競馬をさせると思う。そういう意味では好枠を引いたと言える。四位ジョッキーも折り合いを付けるのが上手な乗り役だし、うまく脚を溜められるようならソコソコやれるかもしれない。
ワンダーアキュート(5枠9番)はちょうど真ん中あたりの枠で、レースはしやすいと思う。道中は中団あたりにつけて、勝負所から早めに動いていく事にという競馬になるだろう。ただ、この馬にとっては前の3頭がどれだけのペースで引っ張るかも問題で、ペースが速くなると自分自身もそれを追い掛けなければならず、道中でなし崩しに脚を使わせられる可能性が高い。かといって中団で脚を溜めるにしても切れ味がないので、やはり“帯に短し襷に長し”。このメンバーでスパッと抜けてくるというイメージは浮かばない。
ダノンカモン(7枠13番)は外めの枠を引いた。南部杯や武蔵野Sのように好位から進めて早め早めに動くという競馬になると思う。勝負所でジックリ構えていれば前の馬は楽になるだろうし、逆に早めに動けば差し、追い込み馬にもチャンスが出てくる。この馬の動きが勝負所からの流れを変えるという意味で、トウショウフリーク以上のキーホースになるかもしれない。この馬自身はワンパンチ足りないので勝ち負けとなるとどうかだが、福永ジョッキーがどこで動くかは他の馬に与える影響が大きいと思う。
それでは、自分なりに展開を予想してみたい。
【逃げ】
エスポワールシチー
【2番手】
トウショウフリーク(向正面ではトランセンドに交わされて3番手)
【3番手】
トランセンド(2コーナーから向正面で2番手に上がってくると思う)
【好位?先行】
ダノンカモン
ソリタリーキング
ワンダーアキュート
ラヴェリータ
【中団】
バーディバーディ
ミラクルレジェンド
ダイショウジェット
ニホンピロアワーズ
ヤマニンキングリー
エイシンダッシュ
フリソ
【後方】
マカニビスティー
テスタマッタ
全体的にペースは速くなると思う。先行争いが激しくなる分、テンに速くなって、向正面あたりで一旦落ち着いて、3コーナーあたりからまた速くなるというメリハリのある展開になるだろう。その緩急のある流れに対応できるような器用さのある馬でないと厳しい。
去年トランセンドが逃げ切って勝った時は前半の1000m通過が1分ちょうど。一昨年エスポワールシチーが逃げ切って勝った時は前半の1000m通過が1分00秒7。いずれも単騎で平均のラップを刻んで逃げ切ったものだが、今年はこの2頭が顔を揃える上に、トウショウフリークという厄介な同型馬がいるので、さすがに前半の1000mが60秒という事はないだろうし、仮に60秒台だとしてもテンが速いので、同じラップでも中身が違うはず。前に行った馬は持久力も求められる(もっとも、エスポワールシチーとトランセンドは持ち合わせているのだが)。
あとは馬場状態によっても変わってくるだろう。天気予報では土曜日も雨が降るようなので、ある程度脚抜きのいい馬場になる可能性が高い。その辺は明日の阪神のダート競馬をジックリ見させてもらった上で、最終結論を出したいと思う。
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