2011/09/07 ウマジンおおの「命懸け密着コラム」
【がんばれ日本! 凱旋門賞コラムvol.1】日本馬2頭のチャンスは大きい!!
蛯名正義騎手、藤田伸二騎手、そして柴田善臣騎手がフランスへ。
今週はいよいよ凱旋門賞に向けた前哨戦が行われる。フォワ賞に出走するのは、昨年の凱旋門賞で2着と健闘したナカヤマフェスタと春の天皇賞馬ヒルノダムール。そして、3歳馬ナカヤマナイトもニエル賞に出走。結果次第ではこの馬も凱旋門賞へ挑戦となるだけに注目だ。
フォワ賞に出走予定の2頭について触れていくと、まずはナカヤマフェスタ。昨年2度目の凱旋門賞2着を経験した蛯名騎手の思いは、悲願の優勝に違いない。それは二ノ宮調教師、厩舎スタッフともに同じだろう。ナカヤマフェスタは昨年のジャパンカップを最後に長期休養。股関節の具合があまり良くなかったらしく、一時はぶっつけで凱旋門賞という話もあったそうだが、無事に回復し、昨年と同じような状態に近づいているという。昨年の凱旋門賞後、雑誌UMAJINのインタビューに蛯名騎手に出てもらったときも
「日本の競馬と世界の競馬に差なんてありません。日本はとっくに追いついています」
と語ってくれていた。万全の状態が整い、陣営の思いを結集すれば、ナカヤマフェスタが昨年のリベンジを果たす可能性は十分だ。
続いてヒルノダムール。春の天皇賞で念願のGIタイトルを奪取。しかし、この馬にとっては遅すぎるくらいの戴冠だった。コンビを組む藤田騎手が
「それまで勝てなかったのは、馬の力を過信しすぎていた自分のミス」
と語っていたほどで、藤田騎手自身はクラシックのタイトルも狙っていたほどの期待馬だった。無冠に終わったクラシックだが、皐月賞2着のときの勝ち馬がドバイWC優勝馬ヴィクトワールピサ。あのときも
「仕掛けどころで前が詰まり、最後勝ち馬を捕らえきれなかった」
と振り返っていた。藤田騎手の口ぶりからもヴィクトワールピサとの力の差はないといっていい。その後ヴィクトワールピサは有馬記念、ドバイWCを制し、世界に名を知らしめる名馬に、対照的にヒルノダムールは歯がゆいレースが続き、重賞未勝利のまま4歳春を迎えた。大きく差がついてしまった同世代の2頭だが、藤田騎手がヒルノダムールに全幅の信頼を寄せる理由を聞くと
「乗り味の良さはもちろんなんだけど、とても利口で自由自在に操れる馬。引っ掛かる心配もまったくないから、思い通りのレースができる。あと体も丈夫でとてもタフな馬だね」
ヒルノダムールにとって、フランス遠征は今回が初となるが、母シェアエレガンスの父は凱旋門賞馬ラムタラ。無敗で欧州3大レースを制するなど、血統的な裏づけもある。同世代のヴィクトワールピサが離脱したが、今度はヒルノダムールが世界の頂点へという夢も広がる。
一方、ライバルとなる海外馬にも触れておくと、一番の有力馬ともくされた英ダービー馬プールモアが調教中の故障で引退。
続いて昨年ナカヤマフェスタと激闘を演じたワークフォース。今季は昨年ほどの勢いはなく、勝った昨年が3歳馬でナカヤマフェスタに比べ3.5キロの斤量の恩恵もあった。主戦のムーア騎手も骨折で、本番の騎乗は微妙となり、この馬にとって風向きがいいとはいえない。
そのワークフォースをエクリプスSで下したソーユーシンク。同馬は今年のアイリッシュチャンピオンSも優勝しGI8勝目を挙げた。凱旋門賞に出てくれば一番の強敵とにらんだが、オーストラリアのGIコックスプレート3連覇を狙っているとのことで、日本代表にとってはありがたい話だ。
イギリスのブックメーカーによると、現在の1番人気は昨年の凱旋門賞3着馬で、今年の仏GIサンクルー大賞典を制しているサラフィナで5倍。ただそのレースでクビ差2着だったシリュスデゼーグルは、昨年のジャパンカップ9着馬。そのレベルを考えると、日本のGI馬2頭なら負かせる能力は十分にあるとみる。日本馬のオッズがナカヤマフェスタで26倍、ヒルノダムール34倍、ナカヤマナイト67倍。これなら日本馬で万馬券も狙える。
まずは今週末の前哨戦。無事に本番と同じ馬場の感触を確かめ、凱旋門賞で世界をあっといわせてほしいと願っている。
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