2012/03/30　 ウマジンおおの「命懸け密着コラム」

【がんばれ日本! ドバイ密着コラムvol.1】今年も来たぜ?、メイダンへ！（上）

ヴィクトワールピサによる日本馬初勝利という歴史的快挙から1年。今年もドバイワールドカップがやってきた。今年は総勢7頭の日本馬がドバイ国際競走に参戦。

まずは自分がよくお世話になっている矢作厩舎から2頭。UAEダービーに挑むゲンテンと新設重賞のゴールドカップに挑むマカニビスティー。

今や押しも押されぬ日本のトップジョッキーのひとり、福永祐一騎手が騎乗する2頭。今年からGIに昇格したアルクォーツスプリントに出走のエーシンヴァーゴウとドバイデューティーフリーに出走するダークシャドウ。

そして一番の注目はやっぱりメインのドバイワールドカップ。今年も日本から精鋭GI馬3頭が出走。まずは競馬界の顔といえばこの人、武豊騎手が主戦を務める、GI6勝、現在9連勝中の怪物ダート馬スマートファルコン。

昨年の優勝馬ヴィクトワールピサと同世代のダービー馬。しばらく勝ち星から遠ざかっているが、昨年末の有馬記念で2着と復調の兆しをみせていたエイシンフラッシュ。今回もその有馬記念と同じくルメール騎手が騎乗。

そして、昨年のドバイワールドカップ2着。今年はその雪辱を果たすべく優勝を狙う、男・藤田伸二騎手が騎乗するトランセンド。

今年の日本馬も前に行って持ち味を発揮するスマートファルコン、トランセンドに、タメて末脚を発揮するエイシンフラッシュと、異なるタイプが揃い、日本馬の連覇の可能性も十分です。

そんな期待に胸を膨らませる、人間ふたりがウマジン編集部にいました。そしてふたりでスーツケース3つにカメラバッグ(大)ひとつ、各々リュックなどの重装備で、いざ成田からドバイへ。

昨年に続き、ドバイ取材も2度目ともなると落ち着いたもの。荷造りは前日でも準備万全。時間きっちりに成田空港へ到着。搭乗手続き、荷物検査などをくぐり抜け、あとは飛行機に乗るだけである。

そして、ここでお腹がすいたので日本での最後の晩餐、何を食べようかと考えてみる。思い出せば去年のドバイでの食事は、主食バーガーキング。メイダン競馬場で用意されていたモーニングビュッフェ(毎日同じもの)。たまにショッピングセンターのフードコートで、偽和食(トンカツとか唐揚げとか書いてあるが、どうみても味は中華)だった。この時点で日本食が恋しくなるであろうことは容易に想像ができる。

しかし和食って高いじゃないですか？ そば、うなぎ、お寿司……。牛丼レベルを日常としている今の一般サラリーマンレベルに、一食1000円以上は高い。うどんで800円とかっていう表示を見て、コストパフォーマンスを疑ってしまう。今回も一緒に取材に行くエディターKさんと相談の結果、落ち着いたのがトンカツ屋だった。そして、思い出せば昨年も日本を発つ前の最後の晩餐も、同じお店でふたりでトンカツを食べた。結局同じことを2年繰り返し、搭乗口へと向かう。


搭乗口の手前の待ち合い所にいくと、そこでJRAの担当者、記者、カメラマンさんたちと一緒になる。知ってる人もいれば知らない顔の人もいる。まずはあいさつ。何が潜んでいるかわからない異国。そういうときこそ日本人ネットワークは大事である。電話番号の交換やら名刺交換なども済ませ、エミレーツ航空の飛行機に乗り込み、ドバイに出発する。

飛行機の私の席は一番後ろの窓側。一番後ろは2列席で隣は知らない女性だった。エコノミーなので、当然座席は狭いのだが、自分が乗った機体は窓の壁と窓側のシートの間に、手持ちカバンが置けるくらいのスペースがある。荷物を置くこともそうだが、腕などをそこにはみだせるので悪くない場所だ。

ただ、この場所は客室乗務員さんたちの死角になるのか、気づいてもらえない。呼び止めても振り向いてもらえないことが多かった。ふて寝を決め込んで、そのまま11時間。こうしてドバイに到着する。

着いたのは現地時間、早朝4時半。当然のことながらまだ空は真っ暗でした。

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