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コラム

2011/10/07  ウマジンおおの「命懸け密着コラム」

【がんばれ日本! 凱旋門賞コラムvol.5】凱旋門賞、夢の続きは・・・

ヒルノダムールは終盤まで好レースを演じたが10着に敗れた

日本馬が3頭とも大敗してしまい
非常にがっくりきてしまった
編集おおのです。

ただこの不定期コラムを
投げっぱなしジャーマンにしておけませんし
凱旋門賞取材珍道中はまだ続くので
この機会に一気に書き上げます。

続きは木曜の厩舎取材から。
この日も日本代表馬たちの状況を聞くために
前日と同じく北駅から電車に乗って
一路シャンティイ駅へ。

昨日と同じく徒歩45分かけての道のりになりそうだが
腹をくくってまたチャレンジだ!

あいかわらず北駅を発車するときは
まだ夜中のような暗さだが
田園風景とともに
徐々に夜明けが近づいてくる。

今日で三度目のシャンティイ駅に到着。
いつものように駅の改札を出て
とりあえずタクシーがいないか一応確認してみる。

すると見覚えのある人に遭遇
デイリースポーツの井上記者じゃないですか!
ウチのウマジンGPでも大活躍だった井上さん
「なんでこんなところにいるんですか?」
と聞いてみると
「新聞を買いにきた」とのこと。

「どうやってここまできたんですか?」
と聞くと
「もちろん車だよ(ニヤリ)」

救いの神の登場に
「僕らも乗っけてってください」
とお願いすると
「少し狭いけどウェルカム」とのこと。
井上さんは他の記者さんたちと一緒に
車で移動していたのだった。

ドライバーは、これまたウマジンGPでもおなじみの
日刊スポーツ木南記者。
国際免許持ってるなんて
さすが「キナエモン」
とても便利な人です。

こうして記者4名の車に
我々2名が乗り込み
いざ厩舎地区へ。

僕らは昨日までの苦労話をしつつ
皆さんに感謝しつつ
雑談をしていると
あっというまに厩舎地区に到着。

この日は追いきりを終えての軽めの運動だったので
調教師も今日の状況を
明日のメニューなどを語ってくれました。
取材内容はニュースなどで
随時更新されてるので
そちらをみてもらうとして
この日は二ノ宮師に
ナカヤマフェスタとナカヤマナイトの
横断幕を渡してコメントをいただきました。
(そちらも動画王国をご覧ください)

ヒルノダムール、ナカヤマフェスタともに
日本代表としてがんばってほしいです。

この日は帰りもカメラマン須賀さんの車に乗せてもらい
シャンティイ駅まで難なく到着。
電車に乗って30分すれば
ホテルにつくわけですから
車の存在って大きいです。

ちなみに
帰りの電車は
きれいな新型電車だったんですが
驚くべきことに車内は
新聞、空き缶、お菓子の箱
紙くず、食べ残しのお菓子
などが床に散在しており
ゴミだらけ。
このすさまじい光景を
ほったらかしでいいんですか?
フランスの鉄道会社さん。

この日もホテルに帰って仕事をして
気づいたら外は真っ暗。
ちなみにこの時期のパリは
朝日が昇るのは8時ごろで
夕日が沈むのが夜8時ごろ。
日が長いというか
夜行性の人には最適な感覚でしょう。

そして翌金曜日
この日はフランスの有名なスポーツ紙
レキップの本社で枠順抽選会が開催。
僕らは北駅からタクシーで
その会場へむかう。

フランスのタクシーでは
英語も通じないドライバーもいるため
僕らは抽選会場の場所と時間がフランス語で書かれたチラシを
ドライバーにみせて、そこに行ってくれと告げた。
フランス語をみても簡単に理解できていない様子の
このドライバー。
しばらくすると
ドライバーのおじさんは
「わかった」という意思表示だったが
どうも心配なのは
このタクシーにはカーナビがついていなかったこと。
カーナビがあれば住所を入力して一発だが
それがないとなると
このおじさんの脳みそだけが頼りだ。
しかも、なんか怪しいリアクション。
本当に大丈夫なのか?
と心配をしているとその不安がズバリ的中。

途中で道行く人にレキップ社の場所を聞き始めた。

お?い!!!!!!!
それでもタクシードライバーかい!(怒)

なんとか道を聞いてわかったらしく
車を走らせる。
これでなんとか大丈夫かとおもったら
このドライバーは半端なかった。
しばらく車を走らせては
「メルシー」
とか言って理解したのかと思えば
またしばらく車を走らせて
通行人に道を聞く。

気づけば抽選会場の開場時間を過ぎていた。
もうこんなタクシーとはサヨナラしたいのは山々だが
今降りてもすぐにタクシーつかまらないし…。
そんなこんなでこのドライバーを白い目でみつめつつ
1時間かかってようやくレキップ社に到着。

僕らの近くのホテルに滞在していて、
僕らより30分ほど後にホテルを出た人たちは
「20分くらいで着いたよ」
といってただけに
このじじぃめぇ?(怒)
と思っていると
遅くなり申し訳ないからと
乗車料金を10ユーロサービスするという。

「お金で時間は買えんのじゃ?」
と文句を言いたいところだが
急いでいたので
とりあえずレキップ本社を目指す。

※注意 フランスではカーナビのない胡散臭い親父のタクシーには気をつけろ!

そして着いたときは
フランス語で凱旋門賞の会見中。
抽選会はまだだったので
なんとか間に合った感じだ。

抽選はきれいなパリジェンヌが
ガラスケースに入ったガチャポンを引いて
なかから番号が書かれた紙を取り出す。
くじは毎回2回。
最初が対象馬を選ぶ抽選で
2回目がその対象馬の枠順になる。

ガラガラガラガラ・・・
(ガチャポンとって)

パカッ!
(と空けて)
紙を取り出す。

ヒルノダムール、ナカヤマフェスタが呼ばれたのは
後半のほう。
ヒルノは1番、ナカヤマは16番
対照的な2頭。

この日も抽選会の情報などを
まとめて社に送るなど仕事に励む。
そして、夕方はいよいよ日本代表応援ツアーの夕食会。

場所はパリの中心部コンコルド広場から
セーヌ河を渡ったすぐそばの
フレンチレストランでした。

僕らは夕食会スタートの30分前に会場入りして
装飾などの準備開始。
予定としては19時半に
ツアー参加者たちがレストランに到着。
着席する頃に藤田アニキたちも到着し
司会のマンジさんのアナウンスで
アニキが入ってくるという流れで打ち合わせ済。
しかし、ここでアクシデント発生。
なんとツアー参加者たちを乗せ
会場まで運ぶ専用バスが渋滞に巻き込まれたとかで
予定時間を大幅にオーバー。

アニキたちのほうが先にレストランに到着する羽目になった。
そのまま待っててもらうわけにも行かず
「じゃあ先に飲んでましょうか・・・」
っていう話になり
参加者を待ちながら
すでにアニキともう一人のゲスト田中博康ジョッキーと
ゆかいな仲間たちはさっそくビールやワインを浴びていく。

ただ食事はみんなそろってからのほうがいいねと
なんとかお酒をチビチビやりながら待って
それから遅れること30分
ようやくツアー参加者が到着。

みんな着席していよいよ乾杯!
事前に会の流れやスケジュールを打ち合わせしていたが
出端をくじかれ、もはやスケジュールなんて意味なし。
そこからお酒や料理が運ばれてきて
みんなでわいわいの楽しい宴会。
参加者たちもアニキとたっぷり話し
サインをごっそりしてもらい
おまけに写真撮影。
食事もエスカルゴからポークステーキ
そしてデザートのチョコケーキ。

おっと最後にじゃんけんプレゼント大会もありで
皆さんが心から楽しんでくれたようで
うれしい限りでした。

このときのアニキからは
「ヒルノダムールの状態は順調」
「僕自身も期待しています」
といった自信のコメント。
それだけに当日の雰囲気に飲まれ
エキサイトしてしまったダムールくんが残念でした。

そしていよいよ競馬の開催日
土曜はナカヤマナイトが出走するドラール賞。
日曜に注目の凱旋門賞。

ロンシャン競馬場までは
カメラ機材も多いし
道に迷ったら困るのでタクシー。
30分くらいで無事に到着でした。

凱旋門賞の行われるロンシャン競馬場は
わりとこじんまりとした競馬場。
日本でいうなら新潟か札幌競馬場という感じ。
ちなみに凱旋門賞前日の土曜日は
まさにローカル開催のようなのんびりした雰囲気。
おそらくフォワ賞の日も日本のそれと同じような観客の数。
それで翌日の凱旋門賞が超満員の大盛り上がり。
そのギャップならヒルノダムールも
その雰囲気に飲まれてしまっても不思議はない。

翌日の凱旋門賞に備え
この日はメディアセンターのデスクにPCを持ち込み
ネットの接続状況を確認しながら
取材や撮影を行う。
しかし、一番のアクシデントが我々を襲う。
なんと無線LANの受信状態が非常に悪い。
何時間も試し、周囲の人に聞いてみたがダメ。
翌日、作業デスクを変えてみたら
ネット環境が改善され
自分が座っていたその場所に座った異国の方が
前日の自分と同じ目にあっていた。
そこんとこ、よろしく頼むよ。
フランスギャロさん!

無事にこの日の仕事を終えて
ホテルに戻ってくる頃には
あっという間に日が暮れていた。
そして、今日もフランスの歌舞伎町らしき北駅前で
あと二日となった晩餐だ。

この日はカフェでの夕食だったが
同行の編集K氏がチョイスしたのは
ムール貝とポテトフライのセット。
自分はチキンカツとパスタのセット。

食事を頼むとやたら大盛りのポテトが出てくるフランス。
K氏のセットは
ムール貝じゃあお腹いっぱいにならないだろうから
ポテトがこれまた山盛りなんだろうと
勘ぐっていたが
期待を大きく裏切られる結果になる。
なんとバケツのような深皿にてんこ盛りのムール貝が…。
そして空き貝用にウェイターが持ってきたのは
本当にバケツだった。
苦笑するK氏。
「貝は好きだから・・・」
とは言いつつも
これはタウリン摂りすぎでしょう?
というくらいの量で
深皿半分は平らげたが
最後はギブアップ。

こうして僕らとパリの歌舞伎町の生活もあと1日となっていった。

日曜朝、朝食を済ませて
すぐに競馬場に向かう。
朝10時前から準備に追われる競馬場のスタッフ。
メディアセンターの開場とともに
PCの設置と撮影の準備を始める。
入場門は11時に開門。
前日とは打って変わっての行列が競馬場になだれ込む。
さすがは凱旋門賞ともなるとパリっ子たちも気合が入る。
キレイに着飾ったレディーたちが
競馬場内のいたるところに。
それにしてもフランス女性はなんて素敵なことか。
あちこちに美女だらけ。
しかもスタイルがいい。
全員モデルじゃないかってくらい
ハイレベルである。

1レースがスタートして
いよいよこの日の競馬が始まる。
13時頃、渋滞で少し遅れてアニキが競馬場に到着。
表情は笑顔でいつもどおり。
そのまま検量室に入り
僕らがファンのためにお願いしたサインを
丁寧にこなしてくれる。

この日の僕は検量室とメディアセンターの往復。
検量室前でコメント取り
メディアセンターで日本への送信。

合間を見つけて
ヒルノダムールとナカヤマフェスタの
単勝馬券をそれぞれ買っていたら
もう凱旋門賞のパドックの時間。

その時間にはカメラを持って
日本代表を追いかける。
出走馬がコースに向かっていった後は
レース撮影のために
スタンドの人の群れをかき分け
撮影スペースへ。

ハラハラしながら
なんとか間に合ったレース前。
そして、各馬がゲートに収まり
いよいよスタート。

ヒルノダムールは最内を利して
内ラチ沿いを先頭5番手あたりの好位で進む。
一方ナカヤマフェスタは後方からの競馬。

向こう正面からコーナーに入っても
ヒルノダムールは
マイペースで内ラチ沿いを進む。
これはいい展開だ。
天皇賞を勝ったときのような流れである。
フォルスストレートもそのまま進み
いよいよ直線へと・・・。

ヒルノダムールは絶好の位置だと思った。
ここから伸びてきて
最後に一番でゴール板駆け抜ける。
そんなイメージを持って
カメラのファインダーをのぞき直す。
先頭の馬をパシャと撮り
後ろからくるであろうヒルノダムールを待っていた。

しかし、いつまで待っても
ヒルノダムールはこない。

な、なぜ・・・こない・・・。
一瞬自分が撮り逃したのかと
疑い始めたころにようやく
黄色と緑の勝負服が
視界に飛び込んできた。

着順は10着。
ナカヤマフェスタは最後まで
後方のままで11着でフィニッシュ。

日本馬は2頭とも残念な結果で夢の舞台を終えた。
下馬して戻ってきた藤田アニキは下馬するなり
「かかり過ぎや・・・」
とだけ言い残し、昆師とともに去っていく。
レースはドイツ馬デインドリームが下馬評を覆して
レコードタイムで優勝。
異常気象で連日30度にもなっていたパリは晴天続きで
馬場は散水の影響もなくパンパンに乾いていた。
パドックのときからイレ込んでいた
ヒルノダムールはゲート入り前にすでに過剰な発汗をしており
最後の直線勝負をできるほどのスタミナが残されていなかった。

ナカヤマフェスタも本音はなんとか本番に間に合ったという調整で
去年のような走りが戻ってこなかった。

共同会見で敗戦を振り返る日本代表のトレーナーとジョッキーたち。
たとえ僕も勝てないまでも
掲示板には乗るだろうと期待していただけに
ショックだった。
今年のドバイのような興奮もなく
ただレースコメントを日本に送り
残された雑誌原稿をどうしようかが悩みの種だった。

?? つわものどもが夢の跡 ??
凱旋門賞が終わり、優勝したドイツのシュタルケ騎手が祝福され
ひっきりなしにテレビのインタビューを受けていた。

次のレースが始まり、まだ競馬場内は盛り上がっている。
しかし、敗れたチームジャパンのメンバーたちは引き上げていく。
今年も日本代表にとっての夢は叶わず終わった。
しかし、チームジャパンの誰がも口にした。
「また挑戦したい」と
今年の夢は終わったが、夢の続きはまた来年に。
挑戦し続けることだけが、夢を現実に変える
唯一の術なのだから・・・。


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