2015/10/04 ウマジンおおの「命懸け密着コラム」
独占インタビュー 藤田伸二 ??電撃引退“真相”のすべて?? プロローグ・前編 ?カフェバー「favori」?
月刊UMAJIN 2015年11月号
独占インタビュー 藤田伸二
??電撃引退“真相”のすべて??
プロローグ・前編 ?カフェバー「favori」?
北海道札幌の繁華街「すすきの」の一角に、狸小路と呼ばれるアーケード商店街がある。地下鉄の駅から、その通り沿いを歩いていくと、すぐに目に飛び込んでくるのがWINS札幌。そして、その真向かいのビルの2階にカフェバー「favori」がある。この店をプロデュースしたのは元JRA騎手の藤田伸二。9月6日の札幌での騎乗終了後、突然の引退を表明し、ファンやマスコミを騒然とさせた男である。
その日、藤田は騎手免許の取り下げを申し出る旨を記載した、1枚の紙切れをJRAの職員に提出。その内容が翌日にも受理されることを確認した30分後には、競馬場を後にしたという。一部始終を目撃したマスコミ各社は、事情を聞こうと藤田の元に駆け寄ったが、本人は頑なに口を閉ざしたまま、その場を立ち去った。
2年前の5月に発売した藤田の自著「騎手の一分」のなかで、“然るべきときがきたら鞭を置く”と、自身の引退がそう遠くないことをほのめかしていた。突然の出来事ではあったが、これまでの彼の言動を追っていけば、その日がついに訪れたということになる。
引退式、会見などは一切行われず、本人の言葉がつづられたのは、web上にアップされている声明文のみ。生の声は一切伝わってこない。ただ、彼の所在は明らかとなっている。それがフランス語で「お気に入り」を意味するこのカフェバーだ。
お店を訪れれば、藤田本人に接触できる。もちろん、事前に連絡を入れアポイントを取り付けたが、9月の大型連休、シルバーウィーク中は、毎日お店に顔を出していると聞いた。多くを語らずに去った男の背中、そして騎手業を離れた今、藤田は何を考え、どんな毎日を過ごしているのか? 聞きたいことは山ほどある。
連休最終日の9月23日夕方、約束していた時間より10分ほど早く、「favori」が営業しているビルの前に到着した。入店しているテナントの看板を眺めていると、見覚えてのある男が目の前の自動ドアからビルの中に消えようとしていた。そう、他でもない藤田伸二だった。
その場で声をかけ、あいさつを交わす。そして、彼の後をついて階段を上り、店内に案内される。座席は10席ほどで、コの字型のカウンターのみ。いわゆる個人経営のバーといった感じだが、店内のいたるところに彼がレースで優勝した写真パネル、トロフィーや記念品が飾られていた。
開店前の忙しい時間を割いて、取材に応じてくれるという藤田。互いにバーのカウンターに腰掛け、さっそく話の本題に入る。まずは、あの9月6日をラスト騎乗に選んだ理由だ。引退から3週間が経った今、藤田がはじめて口を開く??。
(文中敬称略)
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