2012/03/24 『うまカレ』所属現役大学生「競馬学概論」
【競馬学概論】注目のGI・高松宮記念をラップで斬る!!
久方ぶりの登場となります。明治大学の村山です。
今回は、明日中京競馬場で行われる高松宮記念(GI、芝1200m)をラップタイムの観点から予想していきます。
独自の見解を示してみましたので、最後までお読みいただけると嬉しいです!
※参考
●新・中京芝1200m平均ラップタイム(3月4日?18日、全6R、良3稍重2重1)
12.3-10.9-11.7-12.1-12.1-12.5 = 1:11.6(34.9-36.7)
コース形態はコチラを参照(MBの方はコチラから)
先週までに施行された中京芝1200mの平均ラップタイムを掲載しましたが、サンプルはわずかに6レースのみ。加えて下は3歳未勝利、上は牝馬限定の1000万下とクラスも低いため、この結果を鵜呑みにするのは危険でしょう。しかし3ハロン目でペースが一気に落ち、そのままゴールまで緩やかに減速していく点には注目すべきです。これはスプリンターズSが行われる中山芝1200mや昨年の高松宮記念が行われた阪神芝1200m、さらに言えば旧中京芝1200mでは見られない傾向です。これは恐らく「スタート直後のわずかな登り勾配」「テンに勢いづいた直後に3コーナー」「なんとも言えぬ絶妙な勾配の直線の坂」の合わせ技から生まれたもので、もっとも近いラップの刻み方をするのは札幌芝1200m。しかしあちらは洋芝、楕円型で直線も極端に短い(266m、中京は412.5m)平坦コース。それにも関わらず似たラップタイムとなるということは、恐らく新・中京芝1200mは「スピードが最優先で求められるコースではない」のではないでしょうか。
つまり「高松宮記念は究極のスプリント決戦にはならないのではないか?」が私の推論です。
昨年のスプリンターズSでは、キーンランドC、アイビスサマーダッシュで素晴らしいスピードを見せたカレンチャン、パドトロワ、エーシンヴァーゴウが上位を占めましたが、ここではこうしたタイプの馬を狙わない、ということです。むしろスピード以上に1400mや1600mへの適性が求められるでしょう。この速さと底力の絶妙なバランスを持った馬に注目です。そして重要なのが、馬場(芝丈も含め)や枠順。土曜に芝1200mがないのがちょっと不満ですが、直前に行われる三河特別(日曜中京9R)でライを読みたいところです。
☆注目馬☆
◎グランプリエンゼル
不良馬場を驚異的な末脚でぶち抜いた10年オパールSでのパフォーマンスが圧巻。当レースのラップバランスもここでの適性を示します。09年NHKマイルC3着や11年ヴィクトリアマイル4着など、速さと底力が求められる舞台でこそ高いパフォーマンスを発揮する。近走は成績も安定し6歳にして充実一途。辛くもワンカラットを送り出せなかった藤岡佑介騎手の初GI制覇で有終の美を。
○サンカルロ
「究極のスプリント決戦」でたびたび煮え湯を飲まされてきた同馬。阪神芝1400mで行われる阪急杯、阪神Cでの素晴らしい成績をご覧いただければお分かりのように、こちらも速さと底力が求められる舞台でこそパフォーマンスを上げる馬です。ラスト1ハロンの失速率が高い方が差し脚の活きる馬なので、展開に左右される可能性は否めませんが、この舞台が合うのは間違いありません。
▲ジョーカプチーノ
上の2頭が3、18(8位入線)着した09年NHKマイルCを制した同馬。旧中京でのファルコンSをはじめ1200m-1600mで幅広く実績を残しています。こちらもハードなスプリント戦でボロが出るタイプで、ここでは着順を上げてくる可能性が高いです。
△カレンチャン
昨年夏からの4戦(10年函館スプリントS?10年香港スプリント)の内容が示す通り、非常にスピードに特化したタイプの同馬。それゆえに積極的に狙いたい馬ではありませんが、その前の10年阪神牝馬Sが優秀な内容。買っておかねばならない馬でしょう。
■危険な人気馬■
×ロードカナロア
個人的に「サクラバクシンオー以来の名スプリンター」と評価している同馬ですが、「芝1200mで無敗」が逆にここでは命取りになりそう。1400m-1600mでも【0.2.0.0】と崩れてはいませんが、レース内容も特筆すべき内容ではなく、やはり距離が延びてパフォーマンスを下げているのは気がかり。中京芝1200mは内枠有利と言われていましたが、フタを開けたら散々な成績。馬場も内が酷く荒れており、福永祐一騎手の好騎乗を期待せねばならないのはハイリスク。
¥ワンチャン¥
☆レジェトウショウ
芝1400mベスト、キーンランドCでグランプリエンゼル、ジョーカプチーノにキッチリ先着、父キングヘイロー、松山弘平騎手。気にして損はないでしょう。
うまカレでは、様々なコンテンツを通じて皆さまに競馬の面白さ&楽しさを伝えていきます。そのコンテンツのひとつ『うまゼミ!!』をこのあと土曜18:30からニコニコ生放送にて放送しています。対象レースはもちろん高松宮記念! ぜひご覧ください!(うまカレ副代表/明治大学 村山航太)
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