2012/02/16 平松 さとし「平松さとしコラム」
【平松さとし】スピードならデジタルより上…メイショウボーラーのレコードV
こんにちは、平松さとしです。
今週はいよいよ今年最初のJRAのGI、フェブラリーSですね。
2005年にこのレースを制したのはメイショウボーラーでした。逃げ切りでマークした勝ち時計は1分34秒7。レコードタイムでの快勝でした。
手綱をとった福永祐一騎手はこの年、シーザリオやラインクラフトらともコンビを組み、日米でGIを計6勝しますが、その第一歩がこのフェブラリーSだったのです。
前半5ハロンの通過ラップは57秒台。当時、福永騎手は次のように語っていました。
「出来るならゆっくり行きたかったけど、返し馬から勢いよく走っていたので抑え切れませんでした。ただ、切れる馬ではないので下手に抑えるより早目にセーフティーリードをとった方が良いと思ったからボーラーの気のままに行かせました」
一見、無謀とも思えるハイペースでしたが、実は思慮深い作戦による勝利だったことがうかがえる、福永騎手のコメントです。
管理する白井壽昭調教師はこの手綱捌きに目を細めて言っていました。
「ボーラーの持ち味であるスピードをユウイチ君が存分に発揮してくれました」
さらに白井調教師は次のように続けたものです。
「スピードという意味ならデジタルより上かもしれませんね」
デジタルとは、同じ白井調教師の管理馬だったアグネスデジタルです。デジタルは2001年の秋の天皇賞や同年の香港カップの他に2002年のフェブラリーSなど、芝、ダート、国の内外を問わずGIを勝ちまくった名馬です。それほどの馬と比較しても、スピードなら負けていないと評価していたのです。
そして、ボーラーはその先輩と同じように後に香港へも遠征することになるのですが、最初の、そして唯一のGI勝ちがこのフェブラリーSだったわけです。
ボーラーがフェブラリーSを制したのは05年の2月20日のことでした。この週の頭、2月14日には鞍上・福永祐一騎手の伯父で、大井競馬場で厩舎を開業していた福永二三雄元調教師が、亡くなられたばかりでした。ボーラーのスピードをフルに発揮させて制したGIは、亡き伯父に捧ぐ勝利だったのかもしれませんね。
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