2012/05/09 河合 力「やさしい競馬のコラム」
【やさしい競馬】ビックリするくらい頭の良いサラブレッドとは?
競馬の主役はご存じの通り馬なわけですが、彼らにはもちろん人間の言葉が通じません。だから人間の指示が伝わらないこともあるし、もっといえばレースを理解しないまま走っている馬もいるはず。しかし、なかには「人間以上に競馬を熟知しているのでは?」と疑ってしまうほど頭の良い馬もいるんです。
そこで今回は、歴史に残る賢さを持った競走馬を3頭、独断と偏見で紹介したいと思います。
■トップジョッキーに競馬を教えた馬
「賢い馬」の筆頭といえば、三冠を含むGI7勝をあげた「皇帝」シンボリルドルフ。有名なのは1984年日本ダービーでのエピソード。断然の1番人気に推されたルドルフですが、レース中盤で鞍上の岡部騎手がゴーサインを出しても反応しない。多くの人が「本調子ではないのかも」と敗戦を覚悟した瞬間、ルドルフは突如加速。一気に他馬を抜き去り、勝利を手にします。
当時すでにトップジョッキーとして活躍していた岡部騎手は、このレースについて「ルドルフは勝ち方を知っていたのかもしれない。僕がゴーサインを出しても『まだだよ、焦るな』と言うようだった。彼に競馬を教えてもらった」とコメント。騎手に競馬を教えるとは、さすが「皇帝」ですね。
■ムダなスタミナを一切使わない馬
いつも必要最小限の力しか出さなかったクレバー?な馬もいます。その馬の名はマーべラスサンデー。
どういうことかというと、マーべラスサンデーは15戦10勝という成績を残しGIまで獲ったのですが、勝つ時はいつも僅差。いや、確かにレベルの高い大レースで着差が開かないのは分かります。しかしこの馬の場合、力が圧倒的に抜けているレースでも僅差。なぜなら直線でリードを作った途端に力を抜いてしまうから。全レースでコンビを組んだ武豊騎手も、これにはずいぶん手を焼いたそうです。
天才騎手をも困らせる省エネ走法の使い手マーべラスサンデー。何ともしたたかな馬ではありませんか。
■大一番でしか全力を出さない馬
最後に挙げるのは、今週日曜のGIヴィクトリアマイルに出走するアパパネ。この馬はデビューから今までにGIを5勝もしている名牝なんですが、GIレース前のいわゆる「前哨戦」では2着や4着にコロッと負けてしまう。それでいて、本番になると同じ相手にきっちり勝つ。このことから「アパパネはどのレースが本番か分かっているのでは?」と噂されています。
だけどそんなアパパネの前哨戦をサボる癖は、ここにきてますます進化。昨秋の前哨戦ではなんと14着という今までにない大敗。そして先月行われたヴィクトリアマイルの前哨戦・阪神牝馬Sでも7着。「ちょっとサボりすぎでは?」と心配の声が上がっています。
ちなみに昨秋は前哨戦14着の後、本番のGIエリザベス女王杯では海外から来た強豪を相手に僅差の3着と健闘。「やっぱり前走はサボっていただけなのか!」と安心した人がいるとかいないとか。果たしてヴィクトリアマイルではどうなるでしょうか?
★アパパネは前走の阪神牝馬Sで7着
【阪神牝馬S】なんと11番人気クィーンズバーンが逃げ切る
★アパパネは一昨年に桜花賞、オークス、秋華賞の3冠達成
【秋華賞】(2010年)アパパネが牝馬3冠達成!
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