2012/03/28　 山下 貴志(編集部)「POG負け組からの脱出」

【POG】クロフネは芝・ダート別で見極めろ

POGとは関係ないが、先週はクロフネ産駒のカレンチャンが高松宮記念を制したということで、今回はクロフネをデータ考察してみたい。まずは厩舎別の上位成績から。データ対象としたのは07年以降の2、3歳戦。数字は着度数、勝率、複勝率、1走あたりの獲得賞金（万円）となっている。

松田国　【10.13.7.36】　15.2%　45.5%　358
池江　　【9.7.0.13】　31.0%　55.2%　375
松田博　【8.5.8.22】　18.6%　48.8%　348
橋口　　【7.8.10.30】　12.7%　45.5%　253
橋田　　【7.3.3.24】　18.9%　35.1%　158

角居　　【7.1.0.14】　31.8%　36.4%　259
国枝　　【6.7.7.11】　25.0%　70.8%　289
友道　　【6.6.5.7】　20.0%　56.0%　222
安田　　【5.6.3.11】　19.4%　64.5%　227
田中清　【4.3.3.0】　36.4%　90.9%　2075%

上位5厩舎の他にも好走率の高い厩舎を挙げてみたが、やはりクロフネ自身を管理していた松田国厩舎が多くの産駒を管理し、勝ち星も多く上げているが、池江厩舎など好走率の高い厩舎もマークしておきたい感じだ。ちなみに田中清厩舎は1回の着外以外はホエールキャプチャによるもので、ある程度例外的にとらえておきたい。また、上位厩舎に栗東が多く、美浦が少ないのも特徴的。クロフネ産駒は関西馬を選んでおいたほうが良さそうだ。続いて馬主別上位成績。

サンデーR　【24.20.18.105】　14.4%　37.1%　162
キャロット　【17.10.10.77】　14.9%　32.5%　162
金子真人HD　【15.14.11.52】　16.3%　43.5%　289
近藤利一　　【10.6.7.26】　20.4%　46.9%　180
社台RH　　【8.6.6.60】　10.0%　25.0%　96

生産者別成績ではノーザンファームと社台ファームの好走率にさほど差はないのだが、馬主別にすると上位にノーザンファーム生産馬を多く所有するオーナーが並んでいるのが特徴的だ。また、クロフネ自身を所有していた金子真人HDが獲得賞金などで好成績を残している点にも注目しておきたい。その他のオーナーでは嶋田賢氏【4.3.3.0】（すべてホエールキャプチャによるもの）、里見治氏【4.1.3.7】などが好成績だった。

クロフネ産駒はデータ期間中、芝で85勝、ダートで224勝だったように、やはりダート馬という印象が強い。そのためクラシック制覇を目指すPOGでは比較的敬遠されがちだが、馬選び次第ではドラフト下位でいい馬を指名しやすい種牡馬ともいえそう。そこでまず、ダートに限定した好データを探ると、池江厩舎が【8.6.0.5】、友道厩舎が【6.6.4.4】、サンデーレーシング所属馬が【18.12.9.56】、金子真人HD所有馬が【10.6.6.28】、近藤利一氏所有馬が【8.5.7.17】と目立っていた。ダートで堅実に2勝するような馬を指名したい方はこちらがオススメだろう。

芝重賞を狙いたいという方に芝限定のデータを紹介すると、角居厩舎が【5.0.0.8】、キャロット所属馬が【7.2.1.33】となっていた。ちなみに母父サンデーサイレンスの配合馬はもちろんトップの成績なのだが、これは単純に産駒数がダントツに多いためで、芝・ダートでの大きな差はなく、好走率自体も飛び抜けたものではない。

母父から芝の活躍馬を見出すなら、ナスルーラ系に注目したい。母父別上位成績を芝に限定すると上位10頭中、5頭がナスルーラ系となり、さらに上位5頭中、2頭がグレイソヴリン系となる。母父トニービンはサンデーに次ぐ好成績であり、ブラックシェル（母父ウイニングチケット）、マルモセーラ（母父タマモクロス）などが出ていることを考えれば、母父系にグレイソヴリンが入っている馬から「芝の当たり」を引くことができるのではないだろうか。そこで10年産駒からは母父トニービンのベビーグランドの10をピックアップしておきたい。芝の活躍馬が多いキャロットの所属馬でスリープレスナイトの近親。小島太厩舎予定で馬名はバルカローレとなる見込みだ。


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