2012/01/18 山下 貴志(編集部)「POG負け組からの脱出」
【POG】ディープ産駒ドラ1はノーザンより社台
年が明けて、今週からは次年度POGに向けて各種牡馬の産駒傾向をデータで考察していきたい。以前に種牡馬データを採り上げたのが2年前なので、データにも変化があるかもしれない。今回のテーマは2年前にまだ産駒がデビューしていなかったディープインパクト。現役時はサンデー産駒として随一の競走成績を収め、現在はPOGでも重要な種牡馬となった。まずは厩舎別の成績を見てみることにしよう。上位5厩舎と注目厩舎を挙げてみた。数字は左から着度数、勝率、複勝率、1走あたりの獲得賞金(万円)。データ対象としたのは産駒デビュー以降の2、3歳限定戦となっている。(リアルインパクトの安田記念はデータ対象外なので注意)
角居 【20.6.6.63】 21.1% 33.7% 221
藤原英 【10.6.9.27】 19.2% 48.1% 387
国枝 【9.8.4.21】 21.4% 50.0% 325
池江 【9.7.7.19】 21.4% 54.8% 37.7
松田博 【8.7.2.6】 34.8% 73.9% 1062
友道 【8.0.4.5】 47.1% 70.6% 607
堀 【7.5.3.6】 33.3% 71.4% 577
加藤征 【5.2.0.5】 41.7% 58.3% 475
勝利数でいくと角居厩舎の20勝が2位藤原英厩舎とダブルスコアのダントツだが、全体の管理頭数が多いことによるもので、好走率はさほどでもない。好走率でいえば、やはり松田博厩舎が注目で、1走あたりの獲得賞金も抜けている。これはGI馬(マルセリーナ、ジョワドヴィーヴル)によるものだが、複数のGI馬を送り出しているわけだから、信頼して良さそうだ。また、友道、堀、加藤征厩舎も好走率や平均獲得賞金が高いのでディープ産駒との相性は良さそう。ちなみに美浦・栗東で比較すると美浦【43.33.24.147】、勝率17.4%、複勝率40.5%、賞金238万円に対し、栗東が【110.79.83.400】、勝率16.4%、複勝率40.5%、賞金270万円となっていて、勝ち数は大きな開きがあるが、これは産駒数によるもの。好走率はさほど変わらないので、人気のない美浦のディープ産駒を下位で押さえておくというのもアリだろう。続いて馬主別の成績。
サンデーR 【19.11.8.47】 22.4% 44.7% 368
キャロットF 【18.12.9.44】 21.7% 47.0% 389
金子真人HD 【15.18.8.27】 22.1% 60.3% 467
社台RH 【14.3.5.18】 35.0% 55.0% 669
ダノックス 【6.5.5.8】 25.0% 66.7% 485
山本英俊 【6.3.2.9】 30.0% 55.0% 336
島川隆哉 【5.5.6.18】 14.7% 47.1% 510
高嶋哲 【3.1.3.3】 30.0% 70.7% 279
吉田照哉 【2.3.3.1】 22.2% 88.9% 280
G1レーシング 【2.2.1.1】 33.3% 83.3% 551
上位は社台系クラブ馬主が占める中に、ディープインパクトのオーナーでもあった金子真人HDが食い込んでいるかたち。ここでも注目しておきたいのは上位の数と質。ノーザンファーム系列のサンデーR、キャロットFは産駒数が多いことに比例し、勝ち星を稼いでいるが、好走率や獲得賞金では社台RHのほうが質が高いといえそう。これはノーザンファーム生産馬、社台ファーム生産馬での比較でも同様の傾向があるので、おぼえておきたい。データ上では社台ファーム系列のほうがドラフト1位向けなのではないか。その他の注目オーナーは数字を挙げた通りだが、数字上でジャッジすれば島川隆哉氏はPOG的に一発狙いタイプか。
最後にその他のデータから小ネタを挙げておこう。ディープ産駒全体の勝率16.6%、複勝率40.4%を基準とすると、芦毛馬の成績が【8.4.3.10】、勝率32.0%、複勝率60.0%と優秀。また、ディープ産駒は小柄なほうがいいとも言われるが、馬体重別で500?519キロのゾーンで【7.8.2.13】、勝率23.3%、複勝率56.7%と好成績。これ以上の馬体重では成績が落ちる傾向にあるが、500キロをやや超えるくらいの馬は大型馬として敬遠しなくてもよさそうだ。
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