2012/04/23 長谷川 仁志「仁志長谷川の○○な回顧」
【メイン回顧】約束の地!東京で輝く2頭に今後も注目したい
GIレースの谷間となった先週、キーポイントとなったのはタニノギムレット。福島牝馬SとフローラSの勝ち馬が共に同馬の産駒で、2頭とも良い勝ち方をした。
まずはミッドサマーフェアが勝ったフローラSから。1000m通過が62秒1というスローな流れで、2着に2馬身半差を付けたのだから、他馬とは決め手の差が歴然。未勝利勝ちが1分34秒4の好時計で、クイーンCでも注目されていたが、スローの流れで外を回され6着。続く黄梅賞でも、外を回されながらタイム差なしの3着と、両レースとも好走はしているが、マイルでは窮屈な競馬になってしまい、明かに距離不足といったレース内容だった。
それが、1800mへと距離が1F伸びた君子蘭賞で2着に3馬身半差を付けると、さらに1Fの距離延長となった今回のフローラSで2馬身半。距離を伸ばして頭角を現してきたことになる。また、今回はプラス10キロだった馬体重だが、短期間でかなり成長しており、本番を見据えた最高の作りで最も良い結果を出せたのだから、意気揚々とオークスへ向かえるはずだ。
2着のアイスフォーリスはいかにも父ステイゴールドといったタイプで、キレはないがバテない競馬。とはいえ、34秒7という平凡な上がりの時計で、勝ち馬の強さだけが光ったレースだった。
もう1頭のタニノギムレット産駒は、オールザットジャズ。前走の中山牝馬Sは、重馬場で先行有利なペース。それを4コーナー14番手から一気の脚を使い2着にきたのだから、ここでは力量上位で、それを立証したのが今回の福島牝馬Sだった。
コンビを組む藤岡佑介騎手も小回りの福島を考え、前走とは打って変わって正攻法の競馬。2着のコスモネモシンに付けた着差は1馬身1/4だが、数字以上に強さが際立ったレースだった。もともと500万を勝った直後にGIへ挑戦したように厩舎の期待は高かった馬。条件戦を連勝し、瞬く間に重賞を勝つ今の上昇度は計り知れない。古馬の牝馬路線では、アパパネが以前の輝きを取り戻せていない現状から、この馬が押しも押されぬヴィクトリアMの有力馬の1頭へと躍り出てきた。
東京のマイル戦は父タニノギムレットにとって借りを返す舞台であり、オークスが行われる2400m戦は“約束の地”となっていることを決して忘れてはならない。
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