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コラム

2012/04/09  長谷川 仁志「仁志長谷川の○○な回顧」

【メイン回顧】ブエナビスタとジョワドヴィーヴルの決定的な差

「オークスを考えるうえでは、勝ち馬より2着馬のほうに上の評価を与えたい」と、長谷川氏は桜花賞を振り返る。

クラシック第一弾・桜花賞が終わった。勝ったのは本命に推したジェンティルドンナだったが、当初はハナズゴールを本命に考えていた。それが直前で、右後肢の蹄球を損傷したため出走を回避することに。残念ではあったが、今の3歳牝馬戦線の記録を考えれば、自然と“ジェンティル1強”にいきつく結論ではあった。

まずこの世代、抜けた記録が出ていなかった。評価できるのはハナズゴールが勝ったチューリップ賞(阪神マイル)。そして、ジェンティルドンナが勝ったシンザン記念(京都マイル)ぐらいである。この2レースは古馬1600万クラスの記録に値していた。

それに対し、ジョワドヴィーヴルの勝った阪神JF(阪神マイル)の記録は、古馬1000万レベル。前哨戦でなんの不利もないなか3着という不満の残る内容で、さらにマイルの時計の比較からすると桜花賞では時計的にも足りない。▲止まりとした。

単勝2.3倍。2番人気の勝ち馬が4.9倍なら、圧倒的人気といっていいだろう。結果は6着。レース後、鞍上が「外に逃げていた」とコメントしていたが、体力的にも苦しいところがあったのかもしれないし、馬体もいかにも寂しく映った。しかしそれ以上に、この馬の成長力に限界があるのではないだろうか。それは、血統面からも説明がつく。

ディープインパクトを父に持つジョワドヴィーヴル、半姉ブエナビスタは父がスペシャルウィークである。ビワハイジとスペシャルウィークとの配合には、ニジンスキーの4×3というクロスが生じ、これがブエナの成長力に繋がっているとあらゆる媒体で書いてきた。しかしアドマイヤオーラ(父アグネスタキオン)やジョワドヴィーヴルには、このクロスがない。ここが決定的にブエナと違う。

引退レースまで一生懸命に駆けたブエナビスタ、一方でジョワドヴィーヴルは他馬が成長しているこの時期に、すでに完成が近づいているのかもしれない。だから逆転を許したのではないだろうか。とはいえ、マイル戦より府中の2400mで争われるオークスのほうが、脚は使えるタイプ。あとは成長力がどうか、40日後には答が出る。

ジェンティルドンナの勝因は、記録が証明していると冒頭に述べたが、それにプラスして状態の上積みが挙げられる。チューリップ賞(4着)は、ジョワドヴィーヴルにも先着を許したが、当時は帰厩後の1本目を2月9日に追い切って、その後に熱発。以後、24日まで時計は出せなかった。皐月賞1週前とはいえアダムスピークを千切ったのだから、状態は雲泥の差だったといえる。

思えば07年、ダイワスカーレットがシンザン記念で2着し、桜花賞を制覇。昨年はマルセリーナがシンザン記念3着から桜花賞を勝った。やはりシンザン記念は記録のうえでも、牡馬相手のマイル戦という観点からも見逃せないレースであり、今後も注意を払うべきである。ただオークスへの展望という点でいえば、ジェンティルドンナの母ドナブリーニは1200mのGI勝ち馬。リファールの4×4というクロスを持つが、これがディープインパクトの良さと共に、ディープの前向きさ、つまりマイル適性を助長している印象もある。

むしろオークスで魅力を感じるのは、2着馬ヴィルシーナのほう。黄菊賞3着馬だが、この黄菊賞からはウオッカトールポピーといった府中2400mGIウイナーが出ている。2000mのエリカ賞勝ち、府中で重賞を勝っている点も大きな強みになりそうで、気性的に追わせる内田騎手も手が合っている印象を受けた。

桜花賞組では最もヴィルシーナに魅力を感じるが、その他の路線からの載冠も当然ありえる。君子蘭賞を勝ったミッドサマーフェア、8日の未勝利戦を勝ったサトノジュピター、7日の未勝利戦を勝ったレイカーラあたりも、フローラSやスイートピーSに駒を進め権利を狙ってくるだろう。

特にサトノジュピターを強調しておきたい。未勝利戦でマークした中山2000m2分0秒4という勝ち時計はかなり優秀で、すでに重賞レベル。1勝馬の身だが、トライアルへの出走さえ叶えば権利をもぎとっていくだろう。

昨年のオークスはエリンコートが制した。「デュランダルの仔だから2400mでは……」という声が多く聞かれたが、昨年の結果は教訓にしなければならない。桜花賞3着アイムユアーズは、ファルブラヴ産駒。この馬は抜群の勝負根性を持っており、ダイナカールに通じる母系がなせる業か距離が伸びても対応してきそうである。マイルGIで2度続けて馬券になっているのだから、普通のファルブラヴ産駒と考えないほうがいい。オレハマッテルゼ産駒、ハナズゴールも同様。血統が嫌われオークスで人気が落ちるようなら、逆に妙味が出てくる。チューリップ賞勝ちは、それぐらい優秀な記録なのだ。


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