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コラム

2012/02/27  棚井 伸一郎「トレセン放浪記」

【トレセン放浪記】1年間の研修期間がない美浦の新規調教師

わずか数カ月で開業しなければならない現状。JRAは目をそむけることなく、しっかりと把握すべき

一昨日(25日)、昨日(26日)と定年退職を迎えた調教師たちが最後のレースを迎え、今週の水曜日、3月1日から新規調教師たちが開業を迎えます。

数年前までは調教師試験に合格すると1年間、技術調教師として経験を積む時間が与えられていました。しかし、今年美浦で開業する4名は数カ月前に調教師試験に合格したばかり。つまり事実上システムが崩壊してしまっているのです。

各調教師たちは預託馬を確保するために、必死になって駆け回っているようです。以前のように馬が多い時代には担当厩務員にそのまま馬がついていくことがほとんどで、時には「そういう馬は預かることができない」と強引に転厩させることを画策する新規調教師までいました。

それが今は、解散する厩舎の馬たちを既存の調教師たちが欲しがるため、新規厩舎に引き継がれることは、ほとんどなくなってしまいました。技術調教師として1年間という時間が与えられていても、調教師の方々は「時間が足りない」と口にするのですから、わずか数カ月で開業しなければならない現状が大変なことは安易に想像できます。

一方、それと対照的に栗東は開業までに2年待ちという状況。今年合格した調教師たちが開業するのは、2014年の予定ということになります。

今年になって関東馬の重賞制覇が目立ち、西高東低が解消へ向かっているというような報道が見受けられます。確かに関西に負けないようにと頑張っている厩舎は多いです。しかし、勝ち星、獲得賞金と全体を見渡せば関西が圧倒的に強い状況は変わっていません。

重賞勝ち馬が増えたからといって、西高東低が解消されたというのはあまりにも短絡的。厩舎を開業するのに関西は2年かかり、関東はわずか3ヵ月でできてしまうという差こそ、東西格差の現状を示しているのではないでしょうか。それをぜひJRAは目をそむけることなく、しっかりと対策していただきたいものです。


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