2012/03/26 吉岡 司「週刊・若駒総評」
【若駒総評】重馬場を克服したヒストリカルは先々が楽しみ
ローテーション的に“皐月賞の最終便”と言える毎日杯を制したのはディープインパクト産駒のヒストリカル(牡、栗東・音無厩舎)だ。
前走のきさらぎ賞では皐月賞の本命になるであろうワールドエース(牡、栗東・池江厩舎)の2着だけに、このメンバーで単勝2.8倍の1番人気になるのも当然。体は前走からマイナス2キロだが、全然細くは映らない。水平首でリラックスして周回していたし、パドックの気配は上々だ。馬場入りしてからはほど良い気合乗りで、テンションが高くならなかったのも◎。ただ、ガサがなく切れ味身上の馬だけに、重馬場という点だけが気がかりだった。
実戦では馬任せで後方からの競馬。直線まで脚を温存してどこから抜け出すかと思っていたら、そのスペースがない。結局大外へ進路を替えてから追い出し、坂を上がってから一気にかわして勝利。これで賞金も3000万円となり、皐月賞?ダービーのゆったりとしたローテーションが組める(ダービー直行という可能性もあるが)。脚質を考えても直線の長い府中コースは歓迎だし、皐月賞で好走すれば、さらにダービーが楽しみになってくる。
2着に敗れたマウントシャスタ(牡、栗東・池江厩舎)はパドックでは自分からハミを取って活気のある歩様。均整の取れた馬体で皮膚も薄く映る。前走時は少し手脚の重い走りでスパッと切れる脚がないタイプと思えただけに、今回のような重い馬場は向くと思っていた。
それでも直線で馬群から抜け出す時の脚は速く、前走のイメージとは違って切れる脚が使えるのが分かったのは大きな収穫だ。先週のスプリングSのディープブリランテ(牡、栗東・矢作厩舎)を彷彿させる競馬だったし、負けはしたものの内容のある敗戦だった。こちらも1650万まで賞金を加算できたことで、クラシックに駒を進めることが可能になった。
それ対してスピルバーグ(牡、美浦・藤沢和厩舎)は、またしても3着と賞金を加算できなかった。共同通信杯でも3着とツキがないように感じられるが、競馬には運、不運はつきもの。それだけに今日の敗戦は痛い。まだ随所に若さは覗かせているが、柔らかみのある馬体で持っている資質は高い馬。いずれは重賞を勝てる素質があるのは間違いない。同じようにアドマイヤブルー(牡、栗東・橋田厩舎)もアカ抜けた好馬体。ただ大跳びの馬だけに、今日のような馬場では力は出せない。良馬場で改めて期待したい。
毎日杯出走馬以外で気になったのは君子蘭賞を勝ったタニノギムレット産駒のミッドサマーフェア(牝、美浦・小島太厩舎)。まだ直線で内に切れたりして若さがあるので、現時点の評価は高くないが、勝ち時計は毎日杯の2着に匹敵する時計。次走のレースぶりに注目したい。
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【毎日杯】後方一気でヒストリカルが重賞初制覇
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