2012/02/13 吉岡 司「週刊・若駒総評」
【回顧】調律のよいフットワークで脚先が軽いゴールドシップ
京都記念は9頭立て。実績馬とはかなりの力に差がある馬も出走しており、どう考えても荒れそうにない。わたしがプロの勝負馬券で回した印は、◎ダークシャドウ、○トーセンラー、▲ヒルノダムール、△トレイルブレイザーまでの4頭だけだった。
早速パドックチェックを行ったわけだが、◎ダークシャドウは陣営のコメント通りプラス体重。それでも、全体のバランスを考えればトモにもボリュームがあったし、腹線にも締まりがあった。以前の歩様の硬さは、パドックでも感じられない。力を出せる仕上がりと判断できた。
○トーセンラーのプラス4キロは、歓迎材料だ。数字以上に体を大きく見せていたし、馬に落ち着きがあるのがいい。回転のいいフットワークで、抜かりのない仕上がりといえた。
▲ヒルノダムールはプラス16キロだったが、まったく太くは映らない。前走の有馬記念では少しナイーブになっていたが、今回は自らハミをとって歩様にも勢いがあったし、これは間違いなく前走以上のデキだ。
最後に印を回した△トレイルブレイザーは、ハミをとって伸びのある歩様。体にも柔軟性があるし、パドックの雰囲気は良かった。遠征帰りの不安は微塵もなく、この馬の力を出せる状態だ。
そして、私が無印にしたウインバリアシオンだが、こちらもプラス10キロでの出走。もともとが胸郭の長い奥行きのある馬体だけに、それほど太くは映らなかった。トモにもボリュームがあるし、成長を感じさせ、及第点の付けられる仕上がり。
結局は人気馬の気配が良く、パドック状態で評価が変動した馬は皆無。そのまま現時点での力を考慮していい一戦だったが、直線入り口ではトレイルブレイザーが先頭。この早めに動く作戦が功を奏した印象だ。2度目の騎乗で、キッチリ馬の長所を発揮させた鞍上の腕も見事だが、馬自身もジワジワと地力を増してきている。当然、天皇賞・春に武豊騎手で出走してきたときは、軽視ができない存在になる。ヒルノダムールは今回は1キロ増の58キロだし、去年もこのレースが3着。天皇賞・春の連覇に向け、不安点はない。
一方、共同通信杯を制したのは、ステイドールド産駒のゴールドシップだった。直前の稽古では、わざわざ内田騎手が栗東まで駆けつけて調整。プラス4キロだったが、ふっくらとした馬体で重苦しさが感じられない。初めての関東圏での競馬だが、落ち着きもあるし、二人引きの必要もないくらい落ち着いていた。この馬は、調律のよいフットワークで脚先が軽い。体調面は引き続き良好だ。
圧倒的人気のディープブリランテをマークする形で、決して外には出さず、インコースで脚を温存して直線へ。ディープブリランテが持ったまま追い出しを我慢していたが、こちらは直線に向くと直ぐにゴーサインを出し、前を追い掛けた。
坂下では、いったん2馬身近く離されたが、ゴール前が強いのがこの馬の長所。ラスト1Fからジワジワ差を詰めて、一気に抜き去り完勝した。レース上がり33秒6を差し切るのだから、たいしたもの。一瞬の脚ではなく、息の長い末脚が武器だけに、皐月賞よりはダービー向きとも言える。この時期に、東京コースと輸送競馬を経験し、しかも結果を残せたゴールドシップ陣営にとっては、勝利にも勝る意義のある遠征だったに違いない。
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