2012/02/06 吉岡 司「週刊・若駒総評」
【回顧】キンカメ、ディープ以来の衝撃/ワールドエース
先週末も3場で、3つの重賞が行われたが、ここでは東京新聞杯について触れておきたい。このレース、パドックでの第一印象は“好調馬揃い”で混戦模様だった。
わたしは前日の予想で、ガルボに◎を打っていた。当日のパドックでも柔らかい筋肉をしていたし、黒光りのする馬体。当然良く見せるが、脚捌きもスムーズだし、引き続き好調を確認できた。
2着コスモセンサーも、ハミをとって伸びのある歩様。柔らかみのある馬体で、勝ったあともすこぶる順調だった。
レースは逃げ馬不在で、コスモセンサーがハナを切る意外な展開となった。前半1000mの通過タイムは58秒6だったが、勝ち時計1分32秒8を考えれば、ペースは決して速くはない。レースの上がりが34秒2だったから、4角で外を回って追い込んだ組には、コース損があり厳しい競馬だった。
その点、ガルボは終始インコースを回って最後の最後に少しだけ交わした。前走のニューイヤーSでは枠順の差でコスモセンサーに負けたが、個人的にはまともならコスモセンサーを逆転できると思っていただけに、◎を打った甲斐があったと思う。
ただパドックで、もっとも良く見せたのは、実はスマイルジャックだった。気配は抜群。二人引きだがリラックスして周回していたし、体のシルエットが綺麗で見栄えがする。歩様にもバネを感じさせ、単勝が21倍とは配当面でも魅力たっぷりに映った。
今回は敗れたが、体つきを見る限り決して衰えたとは思えない。もともとが、GIでも馬券になっていたような素質馬であり、7歳馬とはいえ、どこかで穴を開けてくれるはずだ。
さて、少しだけきさらぎ賞にも触れよう。勝ったのはディープインパクト産駒のワールドエースだ。若駒Sを使って中1週での参戦だったが、同じ体重で出走できていたし、落ち着きもあって歩様もスムーズ。これなら力を出せる状態だ。
この馬、とにかく体のバランスがいいし、ディープインパクト産駒にしてはテンションが高くならないのも強み。うまくなだめて折り合いが付くのも、この気性だからだろう。
勝ち時計は過去10年の中では一番速く、レース上がり33秒7も最速。その速い上がりを4角外を回しながら差し切るのだから、ただ者ではない。来週出走するであろうディープブリランテとの対戦が楽しみになった。ちなみに評価9点をつけた馬は、過去にディープインパクトとキングカメハメハしかいない……(たぶん)。
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