2012/01/30 吉岡 司「週刊・若駒総評」
【回顧】パドックからこぢんまり映ったダノンカモン
東京競馬の開幕となった先週末は、3つの重賞が組まれた。どのレースも春のGI戦線に向けて、注目度の高い一戦だ。簡単に振り返っていきたい。まずは、土曜に行われたシルクロードSだ。ハンデ戦とはいえ実力馬の状態が良く、波乱の要素はまったく見つからなかった。
勝ったロードカナロアは、さらに体が2キロ増えてきたが、まったく太くは映らない。むしろ、馬体増すべてが実になっている感じだ。歩様にも勢いがあったし、馬の気持ちも前向きで申し分ない仕上がり。馬群の中で折り合いに専念し、直線を向いてからスッと外めに持ち出した。あとは、余裕を持って抜け出し2馬身半差の完勝。このメンバーなら何回戦っても負けない内容、カナロア自身も一戦ごとに力を付けているのが、パドックの気配からも分かる。とにかく、このまま無事でいってほしい。
休み明けだったエーシンヴァーゴウは、プラス8キロという数字が示すとおり、高松宮記念を見据えての馬体だった。ダノンフェアリーは、首を使った歩様でテンポがいい。体にも柔軟性があったし、相変わらずデキは良かった。敗因が鼻出血と明確なら、まだ見限るわけにはいかない。
続いては京都牝馬S。シルクロードSとは対照的に、人気馬の好不調が目立った。コスモネモシンはテンションが高く、プラス12キロの数字通り、体に余裕があった。そしてエーシンリターンズ。昨年の7月以来、久々の実戦だったが、腹の線が細く映った。わたしもコスモネモシン、エーシンリターンズに印を回していたが、気配からは消しだ。
勝ったドナウブルー。馬体増は大歓迎だし、しっかりとした踏み込みで勝ってさらに良化を見せていた。ショウリョウムーンも丸みのある馬体。歩様も実にシャープだし、デキは高い位置で安定していた。C.デムーロ騎手の手腕が大きくものを言った競馬だが、馬自身もさらに調子を上げていただけに、この勝利も頷ける。
東京ではフェブラリーSの前哨戦・根岸Sだ行われた。当然のことながらダノンカモンが人気になった一戦だが、パドックでは良く映らなかった。二人引きだが実に落ち着きがあったし、その点は好感を持てたが、トモのケッパリに力強さが伝わってこない。体も、何となくこぢんまり映ったし、競馬新聞紙に「?マーク」を付けたくらいだ。
一番良く見せたのはティアップワイルド。リズミカルな歩様で体にも柔らかみと光沢があって目下絶好調と思えた。条件が合わなかっただけで、舞台が替われば重賞制覇も目前だ。
勝ったシルクフォーチュンは6キロ増えていたが、これぐらいは許容範囲だろう。小走りで活気があったし、連戦の疲れは微塵も感じられない。最後方からの追走になったが、馬群が団子状態になったために、前とそれほど離されなかったのが勝因。これぐらいの脚は使える馬、今後も展開次第では大駆けがあっていい。
さて少しだけ、3歳戦にも触れておきたい。なぜなら、今年のファルコンSは新設された中京の芝1400mで行われるからだ。同じ左回りの芝1400mで行われたクロッカスSを制したセイクレットレーヴには、当然注目しなければならない。
パドックでは筋肉の柔らかさが感じられる馬体で、適度に気合いが乗り好気配。脚取りも軽快で、良馬場なら力を100%発揮できるタイプだと感じた。二の脚が付かず後方からの競馬になったが、馬群の内でうまく脚を温存できていた。一瞬の脚が武器なだけに、直線が412.5mになる新装中京はピッタリの脚質ではなかろうか。
★体もこぢんまり映ったダノンカモンは5着
【根岸S】シルクフォーチュンが豪脚一閃V
★勝ち馬はファルコンSも楽しみ!
【クロッカスS】セイクレットレーヴが初オープン勝ち
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