「厩（うまや）スポイラー」とは、トレセン、牧場、競馬場、外厩など、日々、競馬情報に聞き耳を立てている「ウマ屋」が仕入れたスポイラー＝馬券直結情報をお届けする「事情通集団」である。

■スポイラー：美浦取材班・G

中山7R　3歳1勝クラス
6枠6番　クレオズニードル（田辺裕信騎手／美浦・和田勇介厩舎）
スポイラーレベル：S

アルテミスS8着の後、自己条件に戻って挑んだ前走の菜の花賞は14着に大敗。着順だけ見ると、クラスの壁にぶつかっているようだが、陣営は違うと話す。

「前走はスタートで他馬が寄ってきて前に入られたので手綱を引いたら、頭を上げて完全に制御不能になった。全く競馬に参加してないし、度外視していい。あれが能力ではないよ」

と、大敗には明確な理由があったとのこと。続けて

「確かに新馬戦で勝った時も派手にモタれたし、若さは残ってるけど、調教ではそういう面を見せていない。何より中間の動きが抜群にいいし、仕上がりも申し分ない。だから変に不利を受けるくらいなら、田辺には“強気に直線は外をグルっと回ってくれ”と指示を出す。頭数も手頃だし、それでも十分届くんじゃないか」

と強気の姿勢を崩していなかった。配当妙味も見込めるので狙う価値ありだろう。

（厩スポイラー情報部）

■スポイラー：栗東取材班・T

阪神11R　大阪杯
3枠5番　べラジオオペラ（横山和生騎手／栗東・上村洋行厩舎）
スポイラーレベル：A

「なんか評価低くないか？　もっとグリグリの印がついてると思っとったんやけどなぁ」

そう切り出したのは栗東取材班・T。話題の主は昨年の有馬記念以来、約3カ月の休み明けで臨むべラジオオペラだ。

「去年は6月下旬の宝塚記念まで使って、そこから夏休み。秋までじっくり英気を養おう……陣営にはそんな意図があったんやと思うけど、記録的な猛暑の影響でリフレッシュどころか夏バテしとったらしいんよ。暑い時季が良くないタイプとはいえ、あのレベルの暑さはさすがに誤算だったんじゃないかな」

振り返ると、一昨年も神戸新聞杯出走の予定が夏バテ気味で調整が遅れたことで同レースを見送った経緯あり。暑さが苦手なサラブレッドは珍しくないが、同馬もその典型と言えそうだ。

「宝塚記念の施行時期が2週早まったとはいえ暑い時季も前倒しされてきているから、陣営は次のことなんて考えずにまずはここに全力投球。長距離輸送のない関西圏では安定した成績を残しているし、テキがこの馬に求めているレベルも高い。最終追いに和生（横山和騎手）を呼び寄せたのも、細部に至るまで不安要素を取り除きたい気持ちの表れだと思うよ。うん、楽しみやね」

勝利の女神は細部に宿るという言葉があるように、勝つためにはあらゆる事象に注意を払う必要がある。べラジオオペラ陣営にとってそれは暑い時季のレースを避けることであり、実戦で騎乗する騎手に対して、最終追いでもコンタクトを取ってもらうということなのだろう。準備は万端。あとは連覇に向かって邁進するのみだ。

（厩スポイラー情報部）

■スポイラー：美浦取材班・K

中山10R　アリエスS
4枠7番　サノノエスポ（田辺裕信騎手／美浦・中舘英二厩舎）
スポイラーレベル：A

3勝クラスに上がってから10着、5着、14着と大きい着順が続く同馬。その成績からここでも伏兵評価が見込まれるが、陣営は期待感を持って臨む。

「成績的に走ったり走んなかったりだけど、これは具合とかじゃなくて乗り方なんだよね。前回の菅原乗ったときみたいに、綺麗に好位で流れに乗るような競馬はダメなんだよね」

とこの馬特有の敗因を挙げ、続けて

「だから、外をブン回してもいいから大雑把に乗ったほうが力が発揮できるタイプなんだよね。そういう意味では、田辺みたいなタイプの方が合うと思うよ。実際に前に勝ってるしね。ここは牝馬同士だし、上手く乗れれば変わってくるよ」

と、想定人気とは離れたトーン。ここ目標のローテで体調は万全、さらにこの馬独特の動かし方を知っている鞍上とあれば変わり身の可能性は十分。激走を警戒したい。

（厩スポイラー情報部）

なお、厩スポイラーのオフレコレベルは3段階。

「スポイラーレベル：SS」…物議を呼ぶ可能性のある情報でオフレコレベルMAX
「スポイラーレベル：S」…世に公開されていない裏話満載でオフレコレベル上
「スポイラーレベル：A」…馬券的中への重要参考情報でオフレコレベル中

他ではゼッタイ知り得ない現場からの「オフレコ話」を信じるか信じないかはアナタ次第……！