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競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/12/27 18:00

ホープフルステークス2024 最終結論【調教】パワーアップ顕著 雄大フォームの良血馬から勝負!【重賞深掘りPROJECT】

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「ホープフルS」全頭追い切り診断動画はこちら!

【ホープフルS 2024|調教診断】雄大フォームで“見た目以上”に切れた馬を【S評価】!

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2024年の中央競馬もいよいよ明日でグランドフィナーレ。

ラストの重賞、ラストのJRA・GIとして2歳王者決定戦「ホープフルS」が中山競馬場で開催されますね。

今回、前置きは省略させていただき、さっそく予想に入っていくこととしましょう。

まずは過去5年間の馬券対象馬15頭の調教傾向を見ていきます。

最終追いはコースが9例、坂路が6例でコース組が優勢。なお坂路6例のうち昨年2着シンエンペラーら5例が中間にコースで追っていました。

つまり中間にコースで追っていたのは14例。そしてそのすべてでコース併せ馬を必ず消化。

唯一例外の坂路オンリー調整だったのは昨年3着のサンライズジパングで、同馬はJBC2歳優駿から中2週でカトレア賞、そこから中4週でホープフルSという強行軍だったので負荷のかかるコース追いは避けたようです。

多頭数かつコーナー4つをクリアするGIだけに、やはりコース併せ馬でコーナリングと揉まれる感覚を磨いた組が優位ということでしょう。

最終追いの調教強度は11例が「馬なり」、4例が「強め」。「強め」組も一昨年の勝ち馬ドゥラエレーデがCW4Fからの時計で終いだけ気合いを入れられた程度だったように、4例すべてがそこまで追い込んだものではなく、味付け程度。

寒い時期のコンディション維持、そして本番までに余力を残す近年のトレンドも相まって、直前追いは軽めで済ますことに越したことはないということでしょう。

以上を踏まえ「ホープフルS」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■アマキヒ【7】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 大先輩パラレルヴィジョン(中山金杯を予定)を外先導し直線で併走。さすがに並ばれてからは手応えで大幅に見劣ってしまったものの、渋太く食い下がり併入とした。見栄えこそ悪いが、相手のパラレルヴィジョンは自己ベストタイ(ウッド5F64秒8)の時計で駆けており、それに食らいつけたことは大きく評価できる。好仕上がり。

■クラウディアイ【7】
西村淳騎手騎乗 栗東CW併せ馬 古馬1勝クラスを1秒以上先に行かせて追走。相手を視界に入れて掛かり気味になるが、鞍上がしっかり制御。直線に入っても敢えて我慢させ、満を持して仕掛けられると一気に回転数を上げて馬なりのまま併入とした。過去2走の最終追いは坂路。今回CWで追い切れたのは肉体面で強化したからだろう。いい状態で走れそう。

■クロワデュノール【7】
北村友騎手騎乗 栗東CW併せ馬 稽古駆けする準オープン馬ルシフェルを追走し、柔軟なコーナリングから併走に持ち込む。相手もいい抵抗を示すが、馬なりで受け流して加速。ラストはさらに重心を沈めて切れ、楽々併入とした。手前の変換もスムーズで、ぎこちなさがあった先週からグンと良化。持てる力をフルに出せそう。

■ショウナンマクベス【7】
木幡初騎手騎乗 美浦ウッド併せ馬 1勝クラスへ気迫十分の雰囲気で取り付いていき、直線で併走。グイグイと仕掛けられる相手に対しこちらは終始馬なりをキープ。相手の加速に対し自然体でギアを上げ対応し、楽々と併入とした。乗り込み量は十二分で、好気配と言える。

■ジョバンニ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前のCW追いで速い時計を出したのが実質の最終追い。輸送を控える今週は、坂路で脚慣らし程度の内容をこなした。やや頭が高いが、これはいつものこと。前肢の踏み込み、トモの蹴り自体はしっかりしており、体調はすこぶる良さそうだ。高いレベルで安定。

■ピコチャンブラック【8】
助手騎乗 美浦ウッド単走 1週前に自己ベストを更新する時計を出しており、今週は終いだけ重点の内容。抜群の折り合いから脚をしっかり溜めた状態で直線に向かうと、機敏に手前を替え、全身を大きく使ったフォームから伸びた。ラストは1F11秒2(馬なり)と秀逸だが、動きにそこまでの鋭さがないあたり、逆に走りがいかに雄大かという証明とも言える。絶好の仕上がり。

■マジックサンズ【7】
酒井騎手騎乗 栗東CW併せ馬 前後に馬を置いての隊列で入り、直線では左右の間に割って入る3頭併せ。最優勢の手応えで早めに真ん中から抜けだし、それぞれに1馬身ほど差をつけての最先着としている。2週前追いをパスしている点が不可解だが、先週、そして今週の動きは文句なし。いい状態で走れそう。

■ヤマニンブークリエ【7】
助手騎乗 栗東CW併せ馬 2秒近く先に行かせた相手を追走する意欲的な内容。仕掛けられてギアを上げる感覚がまだ完全に身についていないような素振りも見せるが、いざ加速してからは豪快そのものだった。オーバーワークを避けて最後は流したのでクビ差先着だが、相手との手応えの差は歴然。まだ若さを残すものの、デキはかなりのレベル。

■リアライズオーラム【7】
田口騎手騎乗 栗東CW併せ馬 同じレースに出走するマジックサンズら2頭を大外から追走するハードな内容。マジックサンズには突き放されての遅れ入線に終るも、2秒近い追走差があったことを考えればまったく問題ない。2週続けての猛時計を出せるあたり、体調面はすこぶる良さそう。

▼「ホープフルS」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/20969/0/112

最高【8】点は前走・アイビーSで1番人気2着だったピコチャンブラック

1週前に調教で騎乗した川田騎手の進言を容れ、最終追いでは馬具を替えて臨みましたが、まさに効果てきめんだったようで抜群の折り合いを示しました。ラストは上記レポート通り雄大な動きからラスト1F11秒2(馬なり)をマーク。

見た目的にスルスルと回転数を上げて叩き出した11秒2ではなく“え、そんなゆったりした動きで!”という驚きのある11秒2であって、いかに体を大きく使えていたかの証明と言えます。良血馬らしいセンス上位のメリハリのある走りができる馬ですが、この中間の短期放牧と馬具チェンジでさらに数段階レベルアップを果たした感がありますね。

前走は人気を裏切って敗北も、能力の違いだけで逃げ切って勝ってしまった新馬戦の結果を踏まえ、控えても競馬ができるようにと教育目的を主眼に置いた一戦でした。勝ち馬にインをすくわれる形でなければ、もっと際どかったはず。とにかく意図した通り馬の後ろで我慢できる競馬ができていたのは収穫でした。

近2走で競馬を教えてきた石橋騎手からの乗り替わりがどう出るかですが、川田騎手は1週前追いで長所と課題をしっかり把握したようで馬具に関する進言を行ったのは上述の通り。福島芝2000mだった新馬戦の圧勝ぶりを考えると、東京芝1800mの前走と比較し今回の舞台は相当走りやすいはず。

週なかはウッド、週末で坂路で軽くというルーティンで調整されている馬ですが、12月15日の日曜坂路追いで流した程度ながらラスト2Fラップ13秒0-12秒2といい加速を示しました。ラスト1F12秒2は自身の最速を更新するもので、短期放牧でのパワーアップぶりを物語りますし、中山の急坂も問題なくこなせそう。

充実一途のこの馬を本命とします。

クロワデュノールの前走(東京スポーツ杯2歳S)時の最終追いは、仕掛けられた相手の加速に対し明らかに反応が遅れており、自分の調教採点は【6】点止まり。ポテンシャルでどこまで……と見ていましたが、好位追走から早めに動き2着馬をねじ伏せて勝利をモノにしたのはご存じの通り。

着差は3/4馬身とそこまでインパクトはありませんでしたが、2着馬サトノシャイニングは自分の調教採点が最高【8】点だったように、状態面は申し分なかったし、スローペースに落とした逃げがハマったこともあり、本来ならサトノが勝っていたレース。それをあの状態から差し切ったんですから、これはもう単純にモノが違いましたね。

気配平凡、大幅太め残りだった前走を快勝し反動が心配になるシチュエーションでしたが、中間の動きを見る限り杞憂に終わりそう。

今週は稽古駆けするルシフェル(3勝クラス、萩S勝ちなど)を追走させる意欲的なメニューをこなしました。

1週前追いは直線で手前を替えず一本調子だったんですが、今週はここというところで右手前に替えスムーズに加速できていたのは好感。

気持ち的にガタッと来ている雰囲気はなく、上積みだけ見込めるシチュエーションです。

最終追いでは最後に手前をまた左に戻していたように、右回りだと手前の“居心地の悪さ”みたいなのを感じるところがあるようで、そのあたりを割り引いて対抗までとしますが、あっさり勝たれてもなんの不思議もありません。

ジョバンニ。いい意味でフワフワしたところがあり、気負って余計な力を使わないのが持ち味か。攻めでも実戦でも最後は確実に脚を使ってきますし、常に調子を高値で維持できるタイプ。2歳馬離れした、この安定感を買いたいですね。

中8週の前走も悪い状態ではありませんでしたが、レース間隔が中4週と詰まる今回は実戦感覚がより濃い状態で臨めるだけに大幅上積みに期待していいのではないでしょうか。前走は二の脚がいまひとつで、そのあたりも今回は違ってきそう。

枠なり、相手なりに上位に食い込んでくる可能性は大と見ます。

☆にクラウディアイ。前走の京都2歳Sは序盤でゴチャつき位置を下げる不利がありましたが、直線ではインを突いて渋太く伸びてきました。性能は高そうですし、華奢な身体に似合わない高い勝負根性も持ち合わせているようです。

今回は最終追いをCWに切り替えてきており、これは馬体面をもう気にする必要がないからでしょう。先週、今週と相手の後ろでウッドチップを浴びても我慢できた気持ちの強さも買い材料。フルゲートの混戦のなかで渋太く伸びてくるシーンは十分にありそう。

マジックサンズは今週の動きだけ見れば活気十分なんですが、2週前の攻めを飛ばしているのがやはり不可解。あとやはり夏以来のぶっつけ組にとって分が悪いレースでもあり、重い印は回せませんでした。

穴で調教採点【6】点組からジュンアサヒソラ。掛かり気味だった点だけ割り引いての【6】点評価でしたが、直線で相手を抜き去る際の脚は迫力あり。前走の時計、上がりともに優秀で1週前に自己ベストをマークしたように、成績通りここへ来て尻上がりに力をつけている感がありますね。“伸びシロ”に期待して押さえます。

逆に【7】点組のアマキヒ、リアライズオーラムは前走のレベル、そして最終追いでの負荷が“強過ぎた”点を嫌って無印としました。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!今年はご愛読ありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします。

<調教ライター・西村武輝「ホープフルS」最終結論>
◎15 ピコチャンブラック
○6 クロワデュノール
▲1 ジョバンニ
☆4 クラウディアイ
△12 マジックサンズ
△2 ショウナンマクベス
△7 ヤマニンブークリエ
△13 ジュンアサヒソラ

【単勝】15(1点)
【馬連】15=6,1,4,12,2,7,13(7点)
【3連複/フォーメ】15,6=15,6,1,4=15,6,1,4,12,2,7,13(24点)
【3連単/フォーメ】15,6→15,6,1,4→15,6,1,4,12,2,7,13(36点)


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