UMAJIN.net

競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/12/27 13:10

ホープフルステークス 2024 調教からの有力馬&穴馬ジャッジ!【重賞深掘りPROJECT】

78
----------------------------------
「ホープフルS」全頭追い切り診断動画はこちら!

【ホープフルS 2024|調教診断】雄大フォームで“見た目以上”に切れた馬を【S評価】!

---------------------------------
毎週金曜、その週メイン重賞の気になる有力馬&穴馬を「追い切り」目線で徹底解説、および「S」「A」「B」の3段階で格付け。今週の対象は「ホープフルS」です!

■ピコチャンブラック

【中間調整】父はキタサンブラック。伯父にフサイチコンコルド(日本ダービー勝ち)やアンライバルド(皐月賞勝ち)がいる名門牝系バレークイーン一族の出身だ。直前の稽古で圧巻の動きを示したことから単勝オッズ1.7倍という支持を受けた7月20日の福島新馬戦では、スピードの違いで逃げ切り、期待以上とも言える7馬身差の圧勝を収めた。続くアイビーSも1番人気に推されたが、ここでは今後のことを考え陣営は控える競馬を選択。逃げ馬の後ろで我慢する形に最初は戸惑ったようだが、道中からはしっかり折り合い直線では逃げ馬をきっちり交わした。最後はインを強襲したマスカレードボールに脚元をすくわれての2着に終わったが、収穫の大きな一戦だったと言っていい。

血統背景からの期待、スケール感たっぷりだった初戦の勝ちっぷりから年末の目標は当初からホープフルS。予定通り前走後は短期放牧でリフレッシュされ、11月28日に美浦へ戻り調整が再開されている。12月1日に坂路14-14を出したのが初時計。5日にはウッドでさっそく3頭併せで追走併入と、緩んだ雰囲気は感じられない。18日の1週前追いには今回初コンビを組む川田騎手が駆け付け騎乗。ウッド5F65秒0を馬なりでマークし、これは自己ベスト更新の数字。年長の2勝クラス、3勝クラスの間に割って入り1頭に先着、1頭と併入という上々の内容だった。

【最終追い切り】負荷は1週前の時点でしっかり掛かっており、レース当週は終いだけ重点の内容。抜群の折り合いから脚をしっかり溜めた状態で直線に向かうと、機敏に手前を替え、全身を大きく使ったフォームから伸びた。ラストの数字は1F11秒2(馬なり)と秀逸だが、動きにそこまでの鋭さがなかったあたり、逆に走りがいかに雄大だったとかいうことの証明だろう。

【見解】常に稽古で動くタイプの馬だが、この中間はさらにレベルアップ。短期放牧でのリフレッシュで心身ともに数段階逞しくなってきた感がある。1週前はやや若さを覗かせ川田騎手も少し操縦に苦労したようだが、同騎手の進言に沿って馬具を替え臨んだ最終追いでは絶品の折り合いぶりを披露し、ラストの伸びも豪快。これなら本番でもフルに能力を発揮できるのでは。

総合評価「S」

■ジョバンニ

【中間調整】ひとつ上の半姉が、今年のチューリップ賞で9番人気⇒2着、ローズSで11番人気⇒3着などケレン味のない大逃げで穴を開け存在感を示したセキトバイースト。ジョバンニはデビュー戦をそつなく制し、野路菊S、京都2歳Sでは長くいい脚を使って連続2着と姉とは違った安定感ある取り口が魅力だ。

中8週の前走・京都2歳Sを叩いてホープフルSへ進むのは既定路線。中間は在厩でケアされている。時間をある程度取って疲労をしっかり抜き、初時計は15日に坂路14-14。18日の1週前追いには松山騎手が騎乗し、2歳1勝馬サンダーロードを追走する併せ馬を行った。ある程度序盤から速いラップを刻む内容だったが、楽に取り付いていき、最後は手応え圧倒のまま相手を2馬身置き去りにした。ゴーサインへの反応は機敏で、気持ちはしっかり張っているようだ。

【最終追い切り】輸送を控えるレース当週は坂路単走で脚慣らし程度の内容をこなした。やや頭が高いが、これはいつものこと。前肢の踏み込み、トモの蹴り自体はしっかりしており前後の連動性という意味で至極順調に感じるし、体調もすこぶる良さそう。

【見解】攻めでは典型的な優等生タイプで少ない本数でも仕上がるし、乗り手の指示にもすんなり従う。調子の波は少なく、常に高いレベルで好調を維持できる馬だろう。この中間も順調そのものだ。となればレース間隔が中4週と詰まる分、実戦感覚がより濃い状態で臨める今回の大幅上積みに期待していいのではないか。前走は中8週とひと息入っていたせいか、二の脚がいまひとつ。そのあたりも今回は違ってきそう。仇敵エリキングと再び相まみえる前に、ここで実績を残しておきたい。

総合評価「A」

■マスカレードボール

【中間調整】半姉に昨年のローズSをレコード勝ちし、秋華賞では2着に入ったマスクトディーヴァ。新潟のデビュー戦では出遅れから後方の位置取りとなりながら、外からまとめて差し切り勝利。続くアイビーSでは緩いペースのなか折り合いに難しさを見せたが、最速の末脚でここも快勝。粗削りな面は同居するが、エンジン性能だけなら世代でもトップクラスのものがありそうだ。

距離を延ばした前走・アイビーSを制したことから、陣営は次の目標をホープフルSに設定。山元トレセンでの放牧を経て、12月2日に美浦へ戻っている。5日にウッド14-14をこなしたのが初時計。以降、坂路とコースを併用しての調整が順調に進んでいる。1週前は主戦・戸崎騎手が騎乗し、ウッドで併せ馬。コーナーで気を抜く場面があったものの、直線では迫力ある伸びを披露できていた。

【最終追い切り】レース当週は嶋田騎手が騎乗し、ウッドで併せ馬 2頭の間に割って入り、揉まれる形でもリズムを保つことを教え込むような3頭併せを行った。やはりこの日もコーナリングでややモタついてしまい、課題を残した格好ではあるが、直線では1頭を置き去りにし、オープン馬オーキッドロマンスに馬なりを保って併入とした。

【見解】短期放牧を挟んでも粗削りな面は大きく変わってきていないよう。この中間は馬場入りをゴネることもあったようだし、いざコースに入っても変に気負ったり、逆にフワりとしてしまったりとメンタル面のブレはかなり大きい。高いポテンシャルで相殺以上に持ち込めなくもないだろうが、多頭数かつコーナー4つのGI戦でどこまでカバーできるか。変に揉まれる枠より、この大外枠はむしろ歓迎かもしれないが、なんにせよ大きく信頼するのは禁物かもしれない。

総合評価「B」

<【重賞深掘りプロジェクト】 調教ライター 西村武輝>
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

---------------------------------
=重賞深掘りPROJECT関連動画=

【ホープフルステークス2024|血統診断】「初GIに強い」名門牝系が上位独占を目論む!


【2024年ホープフルステークスをデータで的中!】近7年【5.0.0.0】クロワデュノールは勝率100%データに該当するか!?


--------------------------------------

この記事が参考になった方は
主宰者に「エール」を送ろう!(最大10回)

エール0

この主宰者をお気に入りに登録しよう!
マイページから確認できます

お気に入り登録
重賞深掘りプロジェクト TOP

人気主宰者の「重賞」「自信の一鞍」など複数の予想を30日間定額で!

先着1,000名様限定!
30日間無料キャンペーン実施中

月額コースはコチラ

ただいま30日間
無料お試しキャンペーン実施中!

全コラムが見放題
月額コースはコチラ

月額コース購入に進む

この記事のみをご覧になりたい方はコチラ

単品購入(500pt)に進む

本記事は単品購入限定となります

PAGE TOP