3年ぶりに少頭数でおこなわれるラジオNIKKEI杯京都2歳S（以下、京都2歳S）。キズナやエピファネイアなど、リーディング上位に名を連ねる種牡馬の産駒に目がいきますが、ウォータービルド産駒のウォータークラークもまた、ある意味、注目を集める存在といえます。

ディープインパクト産駒のウォータービルドは、現役時2度の骨折に見舞われ、休養期間が計3年近くになってしまい、2勝クラスを勝ち上がることができませんでした。ただ、二代母が世界的名種牡馬フォーティナイナーの全妹という良血。引退後、アロースタッドで種牡馬入りを果たしました。
初年度産駒の現2歳世代は6頭しかいないものの、既に中央と地方で5頭がデビューし、今週末はウォータークラークも含め3頭が出走します。産駒の活躍次第では、来年以降、種付け頭数が増える可能性も十分にあるでしょう。

また、父もそうでしたが、ウォータークラークも、後のGI馬を数多く輩出した京都芝1800ｍの新馬戦を勝ち上がった馬。この先、大物になってもなんら不思議ではない逸材で、所有する山岡正人オーナーや、残念ながら2021年に亡くなられましたが、ウォータービルドを所有した先代の良一オーナーの夢が詰まった血統です。
しかも、騎乗する武豊騎手は、デビュー前から良一オーナーと付き合いがあったそう。22年の桜花賞でウォーターナビレラに騎乗して2着に惜敗したこともあり、並々ならぬ想いで騎乗するのではないでしょうか。

それでは予想に。

今回は、京都2歳Sの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

（1）前走人気
（2）前走馬体重
（3）前走馬番
（4）前走時の馬体重の増減
（5）前走頭数
（6）前走距離
（7）父の系統
（8）母父の系統
（9）前走クラス
（10）生産牧場

近年の好走傾向から買い条件となったのは上記10項目。その中で、（1）は前走人気について。
前走2から4番人気だった馬が不振の当レース。一方、前走1番人気か5番人気以下で、前走の出走頭数が今回と同じか、今回のほうが多い馬は［4-4-4-12/24］。勝率16.7％、複勝率50.0％。単勝回収率122％、複勝回収率177％。該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝サラコスティ、ローレルオーブ、エリキング

（2）は前走馬体重。
小型馬が不振の京都2歳S。一方、前走東京か西日本開催（中京、京都、阪神、小倉）のレースに馬体重460kg以上で出走。かつ、キャリア2戦か4戦以上の馬は［3-4-4-9/20］。勝率15.0％、複勝率55.0％。単勝回収率125％、複勝回収率214％。これだけ該当馬がいながら、半数以上が好走していました。
◇該当馬＝サラコスティ、ジョバンニ、エリキング

次は（3）。前走馬番です。
前走、偶数番を引いた馬が強い当レース。そのうち、前走と同じ斤量を背負い、かつ前走から中2週以上の間隔を開けてきた馬は［3-4-3-9/19］。勝率15.8％、複勝率52.6％。単勝回収率118％、複勝回収率172％。文句なしの成績でした。
◇該当馬＝テイクイットオール

（4）は、前走時の馬体重の増減について。
近年の京都2歳Sは、前走時、馬体重の変動が少なかった馬が結果を残していました。具体的には、前走時、馬体重がプラスマイナス2kgか増減なし、かつ3位以内の上がりをマークした馬が［2-4-3-7/16］。勝率12.5％、複勝率56.3％。単勝回収率99％、複勝回収率242％と、素晴らしい成績です。
◇該当馬＝サラコスティ、ジョバンニ

（5）は前走頭数。
（1）とやや重なりますが、京都2歳Sは前走8頭立て以下のレースに出走した馬が［3-2-4-7/16］。勝率18.8％、複勝率56.3％。単勝回収率93％、複勝回収率108％。（4）と同じ好走率でした。
◇該当馬＝サラコスティ、ジョバンニ、ローレルオーブ、エリキング

（6）は前走距離です。
前走から距離延長で臨む馬の成績が優秀な当レース。そのうち、前走と同じ騎手が騎乗（継続騎乗）し、生月が4月以外だと［4-2-1-7/14］。勝率28.6％、複勝率50.0％。単勝回収率210％、複勝回収率215％。該当馬の半数が好走しています。
◇該当馬＝テイクイットオール

続いては（7）。父の系統について。
当レースで好走数が多いのは、サンデーサイレンス系を中心とするロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒。ただ、好走率が高く、馬券的に妙味があるのはニアークティック系かネイティヴダンサー系種牡馬の産駒で［4-3-0-7/14］。勝率28.6％、複勝率50.0％。単勝回収率225％、複勝回収率205％。（6）と同様、該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝クラウディアイ

（8）は母父の系統。
一方、母父の系統に注目すると、こちらもニアークティック系種牡馬を母の父に持つ馬が強さを発揮していました。その中でもとりわけ、前走4コーナーで2から5番手に位置していた馬は［2-2-3-6/13］。勝率15.4％、複勝率53.8％。単勝回収率40％、複勝回収率180％。またまた文句なしの成績を残していました。
◇該当馬＝テイクイットオール、ウォータークラーク、ジョバンニ、スリーキングス、エリキング

（9）は前走クラスです。
前走、重賞や1勝クラス、新馬戦に出走した馬が振るわない当レース。対して、前走リステッドかオープン特別か未勝利戦に出走、かつ、その時の馬番が1から3だった馬は［4-2-1-1/8］。勝率50.0％、複勝率87.5％。単勝回収率367％、複勝回収率181％と、凄まじい成績を残していました。
◇該当馬＝サラコスティ、ジョバンニ、エリキング

そして最後は（10）。生産牧場について。
2歳の中距離重賞でさすがの成績を残しているノーザンファーム生産馬。ただ、過去5年の好走馬は、すべて今回6から8枠を引いた馬で［2-2-2-2/8］。勝率25.0％、複勝率75.0％。単勝回収率73％、複勝回収率122％と、超抜の成績でした。
◇該当馬＝エリキング

これら10の条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎8エリキング
○2サラコスティ
▲4ジョバンニ
☆1テイクイットオール
△6ローレルオーブ
△5クラウディアイ
△3ウォータークラーク
△7スリーキングス

【馬単/マルチ】8⇔2,4,1,6,5,3,7（14点）
【ワイド】8＝4,1,6,5,3,7（6点）
【3連単/フォーメ】2,4→8→2,4,1,6,5,3,7（12点）

本命は、6項目に合致したエリキング。5項目合致のサラコスティとジョバンニを対抗、単穴としました。

セレクトセールで税込2億3,100万円の高値で落札されたエリキングは、新馬戦と野路菊Sを連勝中。それぞれのレースで、サラコスティとジョバンニを破っています。また、鞍上の川田将雅騎手は、改修後の京都芝2000ｍでなんと複勝率83.3％。ほぼ崩れておらず、回収率も123％とベタ買い可能です。

ただ、難しいのは馬券で、まずは馬単マルチとワイドを購入。そして、3連系の馬券は3連複だとつかないので、○▲を1着に、エリキングを2着に、エリキング以外の印7頭を3着に塗った3連単フォーメーションを買います。

ちなみに、冒頭で書いたウォータークラークは、なんと1項目しか該当せず、本命評価にはできませんでした。買い目には書きませんが、単勝を買って応援します。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。