【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。それではさっそく「京阪杯」全頭追い切り診断となります。

●11月24日　京阪杯（GIII、京都、芝1200m）
　
■アグリ　斎藤騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　目一杯追われたが、馬なりの相手に対し切れ負けして遅れ入線。しかし併走馬はスプリンターズSを勝ち、香港スプリントを見据えるルガルなのでこれは単純に相手が悪かった。アグリ自身ラスト1F11秒9はマークできており、転厩後に2回使われ着実に前進。【6】

■ウインカーネリアン　三浦騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2歳馬2頭を大きく先に行かせて追走。直線でも体を並べに行かず、相手を常に前に見て気持ちを維持させるような内容だった。結局それぞれに遅れ入線。遅れは意図的なもので、そこまで懸念視する必要はない。まだ万全とは言い切れないが、久々だった前走よりは気配上昇か。【6】

■ヴェントヴォーチェ　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前にM.デムーロ騎手が騎乗し速い時計を出しており、仕上げは完了。今週は14-14ペースで入り、終いだけ伸ばす内容となった。意図した通りしっかり折り合って進み、ラストは加速ラップで締めくくれている。長期休養明けを使われた分の上積みはありそう。【6】    

■エイシンスポッター　助手騎乗　栗東坂路単走　序盤から活気十分の雰囲気で進み、勢いよく登坂。ラストに脚勢が鈍りかけたものの、鞍上の懸命な仕掛けに反応しラスト2F12秒3-12秒3（一杯）の等速ラップでまとめた。とにかく体調は良さそう。好気配。【7】

■カンチェンジュンガ　助手騎乗　栗東坂路単走　6月末から使い詰めで来ており、今回は中1週なので状態維持に専念するような内容。坂の序盤では気乗りしないような雰囲気も感じさせたが、ラストは促しにまずまずの反応を示し、馬なりで加速できていた。この馬なりに安定。【6】

■グランテスト　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前追いで引っ掛かってしまったが、今週は脚を溜めることができており、ラストまでお釣りを残した手応えで駆けていた。走りのバランスはいいし、前向きさも上々。一連の好調を維持できている。【7】

■グレイトゲイナー　松本騎手騎乗　栗東坂路単走　レース当週だが意欲的に序盤から速いラップを刻む調整。さすがにラストは鞍上の手が動いたものの、お釣りを残して1F12秒4（強め）にまとめている。中間に除外があり調整に難しさはあったようだが、大きな影響はなく順調と言える。【6】

■サブライムアンセム　助手騎乗　栗東坂路単走　坂の序盤で右に大きくヨレてしまう。途中からは落ち着きを取り戻したが、ラストはパタッと止まって大きく失速してしまった。メンタルのブレは気になるものの、体調は悪くなさそう。【6】

■チェイスザドリーム　助手騎乗　栗東坂路単走　掛かり気味に進んで行くが走りのバランスは上々で、気迫十分といった感じ。ラストはさすがに脚勢が衰えたものの、馬なりのまま1F12秒6でまとめている。4F全体49秒6は秀逸な数字だ。気配は高値で安定。　【7】

■テイエムスパーダ　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前に坂路4F50秒9（一杯）をマークしており、これが実質の最終追い。今週は折り合いに専念させる内容だった。溜めたほど切れなかった物足りなさはあるものの、一定の素軽さを保って駆けていた。中10週とひと息入れ、まずまず立ち直ってきたか。【6】

■ドロップオブライト　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前に幸騎手が騎乗し4F50秒5（一杯）をマーク済み。今週は終い重点の馬なり調整で息を整えた。坂の途中から気持ちがしっかり乗ったようでラスト2F12秒1-12秒0（馬なり）と長くいい脚を使ってフィニッシュとしている。少ない本数でも仕上がるタイプだし、さっそく能力をフルに出せそう。【7】

■ビッグシーザー　助手騎乗　栗東坂路単走　序盤は手前が安定しなかったのかややフラつくも、鞍上が絶妙に制御。坂の半ばからはまとまりのあるフォームで、滑らかに加速できていた。気持ちがしっかり乗っており、踏み込みも力強い。前走辛勝の反動は感じられず、勝ってさらに上昇か。【7】

■プルパレイ　浜中騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　目標の古馬1勝に取り付いていくが、坂の入り際で加速に手間取ってしまう。併走に持ち込んでからの追い比べでは脚力の違いで抜け出し1馬身の先着も、目一杯追っていたことを考えればあと少し突き放しても良かったか。なんにせよ中間の負荷は十分で、大きなデキ落ちはなく順調な部類。【6】

■マメコ　高倉騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　2勝クラスと坂の序盤から併走。まとまりのあるフォームで登坂し、稽古駆けする相手に手応えは若干見劣ったもののスムーズに加速し併入とした。中間は坂路自己ベストを更新する時計を出せており、中14週での立て直し効果は大きそう。いい状態で走れる。【7】

■モズメイメイ　国分恭騎手騎乗　栗東坂路単走　先週カラテ（ジャパンC出走）をアオって速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は鞍上とのコンタクトを深めることに専念する軽い内容だった。それでも軽快に速いラップを刻んで進んでいき、ラストは減速したが鞍上がオーバーワークを避けてセーブしたものだろう。夏にフル稼働した疲れはしっかり抜け、ほぼ万全の状態。【7】

■ラプタス　河原田騎手騎乗　栗東坂路単走　まずまず速いラップを刻んで登坂。しかし、ラストまで一本調子で仕掛けへの反応も乏しかった。本数はしっかりこなしており体調は悪くなさそうだが、芝の重賞でどうか。【5】

■レッドヒルシューズ　藤岡佑騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　土曜追いで速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は折り合いに専念し、終いの反応だけ見る内容だった。2歳1勝馬の後ろでジッと我慢させ、ラストで促されると柔軟に体を沈め加速し、併入に持ち込んでいる。精神面はかなりいい状況にありそう。2カ月半ぶりの前走を使われ一気に上昇、目下絶好の状態と言える。【8】

■レッドベルオーブ　池添騎手騎乗　栗東坂路単走　終い重点の調整で、序盤はやや集中を欠くような素振りを見せる。ラストも溜めたほどは弾けなかったが、馬なりを保てていたしフォームも安定していた。まだ良化の余地は感じるものの、ひとまず走れる状態。【6】

＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。