【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。それではさっそく「ジャパンC」全頭追い切り診断となります。

●11月24日　ジャパンC（GI、東京、芝2400m）

■オーギュストロダン　助手騎乗　東京芝単走　帯同馬を大きく後方に従え、折り合いを確認するような内容。直線に入るとやや右に張り気味となり若干の重苦しさもあったが、手前を替えてからの伸びは鮮やかだった。終始リラックスしていたのはいい。輸送の疲れはそこまでではなさそうで、デキ落ちはなく順調と言える。【6】

■カラテ　杉原騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　2勝クラスに取り付き坂の序盤から併走。終始馬なりの相手に対してこちらが先に手が動いてしまい、結局手応え劣勢でなんとか併入という内容だった。先週は速い時計を出せており体調面は悪くなさそうだが、気迫の面でどうか。変わり身は強調しづらい。【5】

■ゴリアット　C.スミヨン騎手騎乗　東京芝併せ馬　飛ばす帯同馬を追走し、外からマクる意欲的な調整。直線に正対してからやや加速に手間取るが、直線半ばからの伸びは迫力あり。勢い優勢、馬なりを保ったままスッと抜け出し半馬身の先着を果たしている。ラストは流した感があり、仕掛ければさらに突き放していたはず。仏で走ってから中4週というのを感じさせない好気配。【7】

■ジャスティンパレス　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前にC.デムーロ騎手を背に坂路自己ベストを更新する攻めを消化しており、これが実質の最終追い。今週は息を整え疲れを残さないことに主眼を置いたような内容だった。活気十分も、そこまで力まず鞍上の制御に従って登坂。余力をたっぷり残しフィニッシュとした。あと少し切れて欲しかった感はあるものの、状態は確実に上向き。【6】

■シュトルーヴェ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　同じレースに出走するダノンベルーガとの最終スパーリング。こちらが外先導する形で進み、コーナーでいったん迎え入れる。しかしダノンが仕掛けられても案外伸びず、結局シュトルーヴェが手応え圧倒で抜け出し2馬身の先着を果たした。宝塚記念以来だが乗り込み量は十二分。フルに力を出せるのでは。【7】

■シンエンペラー　坂井騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　古馬1勝クラスに取り付き、坂の序盤から併走。自分の走りに集中し、追われてバタつき気味の相手に対して優勢の手応えを保って併入とした。手前を替えた際、一瞬重心が高くなったが許容範囲。1週前のCWではしっかり負荷を掛けられているし、凱旋門賞帰りでも好調は維持できている。【7】

■スターズオンアース　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　目標とした古馬1勝クラスに対し巧みなコーナーワークで取り付いていく。直線では終始馬なりで、目一杯追われる相手が伸びてくるとすぐさま対応してギアを上げる。結局相手に合わせての併入だったが、手応えの差は歴然だった。1週前の時計も申し分なかったし、久々とは思えない万全の仕上がり。【7】
　
■ソールオリエンス　嶋田騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に自己ベストまでコンマ1秒差まで迫る速い時計を出しており、今週はリズム重視の内容消化に留まる。良くも悪くも遊びを感じさせるような入りで、内後方からの相手が並んできても気持ちが入るのがワンテンポ遅れたが、いざギアが入ってからの伸びはさすがの迫力だった。自身初の中3週がどうかも、攻め気配は上々の域。【7】

■ダノンベルーガ　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　僚馬シュトルーヴェを2馬身先に行かせて追走。最終コーナーで相手が待つ形でペースダウンしたが、ダノンベルーガは仕掛けられてもすんなり加速できず、結局体が並んだのはわずかな間だけ。さらに負荷を掛けられても伸び切れず、結局2馬身遅れ入線に終わっている。ただ、ここでしっかり追われたこと自体は評価していいか。復調途上に思えた前走時から一歩前進。【6】

■チェルヴィニア　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前にウッド6F79秒台を出しており、今週は終い重点の内容。3頭併せの真ん中に陣取る内容で、いつも以上にタイトに挟まれてもまったくリズムを崩さずスムーズに加速する。ラストは左右2頭に合わせての併入だったが、手応えは最優勢。道中の落ち着きも申し分なかったし、GI快勝の反動どころかさらに気配を上げてきているようだ。絶好調。【8】

■ドウデュース　助手騎乗　栗東ポリ併せ馬　1週前にCW3頭併せで負荷を掛けており、今週はルーティンに従ってポリで楽な相手と併せ馬。緩いペースでも掛かることはなく、目標とした古馬1勝クラスに自然体で取り付き併走に持ち込む。最後まで無理をさせることなく、相手に合わせての併入とした。快勝した前走の反動は感じられず、高いレベルで安定と見ていい。【7】

■ドゥレッツァ　助手騎乗　美浦ウッド単走　1週前の併せ馬で強い負荷を掛けられており、総仕上げの今週は単走の調整。道中は若干掛かり気味も脚はしっかり溜まっており、直線では単走とは思えない気迫を感じさせ、スッと重心を沈める。ラストで鞍上が気合いを入れるとさらに体を沈めて、いい加速を示した。先週のひと追いでグンと気配が上がってきたよう。ほぼ万全。【7】

■ファンタスティックムーン　R.ピーヒュレク騎手騎乗　東京競馬場ダート単走。鞍上がコンディション面を確認するように15-15ペースで流すだけの調整だった。脚捌きは素軽く、輸送の疲れはそこまでではないか。本馬場のフィット感を確認したかったところだが、状態は悪くなさそうだ。【6】

■ブローザホーン　菅原明騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　オープン馬ロードアウォードに取り付き併走。手応えは終始劣勢も、走りのバランスは悪くない。結局切れ負けしてクビ差遅れだが、稽古ではいつもこんな感じ。中間は在厩調整で立て直しを図り、最終追いを含めて併せ馬10本を消化。体調や脚元に不安はなく、順調と言える。【6】

＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。