おしらせ
【今週の重賞】[東京新聞杯]ジャスティンカフェとナミュールの“男と女の末脚比べ”
■2月5日、東京競馬場で第73回・東京新聞杯(GIII、芝1600m)が行なわれる。
ここで待望の重賞初勝利を目指すのがエピファネイア産駒・ジャスティンカフェ(牡5、栗東・安田翔)。遡るとオークス馬・シャダイアイバーにたどり着く、社台ファームを古くから支える名牝系の生まれだ。東京芝1600mで行なわれた湘南Sを1分32秒3、上がり32秒9という鮮烈な走りで勝ち上がり、一躍注目を集める。エプソムCは重馬場とスローペースに泣いて4着敗北も、レコード決着となった毎日王冠では2着に好走。初GIのマイルCSは6着に敗れたが、直線で前が詰まらなければ突き抜けそうなほどの脚勢は見せていた。重賞未勝利の身ながら、末脚の爆発力は現役で一、二を争う。また、切れ味を存分に活かせる東京芝マイルは最適の舞台。賞金が少ないため57キロで出走できるのも有利だ。展開面で不利がなければ、勝利にもっとも近いのはこの馬だろう。
最大のライバルは女馬のナミュール(牝4、栗東・高野)だ。父はハービンジャー。こちらも曾祖母が桜花賞馬・キョウエイマーチという名牝出身で、一昨年叔母のマルシュロレーヌがBCディスタフを勝ったように今勢いのある血脈でもある。秋華賞2着、オークス3着と長めの距離でも好走しているが、本馬にもっとも向いているのは、チューリップ賞をはじめ全3勝を挙げているマイル戦。特に2歳時の赤松賞で高いパフォーマンスを発揮しているように、東京芝1600mはベストコースといえる。末脚の鋭さは他馬に負けないものがあり、距離短縮で臨むひさびさのマイル戦でさらに切れ味を増す可能性は十分ある。また、連戦が得意なタイプではないので、間隔をたっぷりとった今回のローテは好感度大。ただし初めて背負う56キロだけは不安材料だ。
エアロロノア(牡6、栗東・笹田)も初タイトルに飢えている一頭。少なくなってきたキングカメハメハ産駒。本馬も祖母が秋華賞馬・エアメサイアという良家に生まれている。OP特別は勝てるものの重賞では掲示板止まりと、長らく“オープン大将”のレッテルを貼られていたが、年明けの京都金杯では0秒1差の2着と重賞初連対。昨年もGIでいい走りを見せており、ここに来て一段力をつけてきているのは間違いない。それでも先の2頭に比べると迫力不足なのは否めないものの、京都金杯のように前めでレースができればチャンスもある。さらに、前走トップハンデの58キロから斤量が1キロ軽くなる点もプラスに働きそうだ。
大いなる飛躍の可能性を感じさせるのはインダストリア(牡4、美浦・宮田)。重賞多数の活躍馬・バランスオブゲームやフェイムゲームをおじに持ち、兄はマイル重賞3勝のケイデンスコール。本馬の父はリオンディーズで、兄はロードカナロアだから、いわゆる“4分の3同血”の兄弟でもある。3戦目のジュニアCは直線で外に大きく膨れながらも2馬身半差の快勝。その走りが評価されて続く弥生賞とNHKマイルCでは2番人気に支持されるも、いずれも5着敗退で期待には応えられず。しかし約半年の休養を経て出走したカウントダウンSでは、前残りの展開を後方から豪快に突き抜けて優勝。“素質馬、ここにあり!”をファンに深く印象づけた。実績不足ながら、荒削りな走りと血統背景から大物感はたっぷり。勢いもあるので、この相手でも好勝負できて不思議はない。
そのほかにも、同コースのクイーンC勝ちがあり、初の古馬対戦となった京都金杯でも3着に好走したプレサージュリフト(牝4、美浦・木村)、小さなボディでもチューリップ賞2着、桜花賞5着、オークス4着と健闘を重ねているピンハイ(牝4、栗東・田中克)、関屋記念に勝ちサマーマイル王者にも輝いたウインカーネリアン(牡6、美浦・鹿戸)、京成杯AH1着をはじめ重賞での好走多数の堅実派・ファルコニア(牡6、栗東・高野)、こちらもダービー卿CT優勝のほか重賞での好走経験豊富なタイムトゥヘヴン(牡5、美浦・戸田)などなど、マイル路線の実力馬が数多く集まった。ここ数年ではもっともメンバーレベルが高くなることが予想され、勝ち馬は今年のマイル路線の主役になるかもしれない。
(Text:Hattori)
▽【関連リンク】
■【先週の結果】2023年東京開幕「根岸S」「白富士S」でサロン主宰者的中ラッシュ!
■【Weekly POG2022⇒2023】先週分の結果を公開中
■【重要】登録ができない、メールが届かない会員様へ